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韓国、偉人の国籍を巡り中国に抗議

韓国政府のレッドチームへの接近に警戒感が高まる中、韓国と中国との間では国民レベルでの対立が顕著となっています。昨年、韓国の人気アイドルグループ・BTS防弾少年団)が、朝鮮戦争に関する発言を行ったところ、北朝鮮と共に戦った歴史のある中国ではこの発言を巡り、BTSに対する批判の声が高まり大炎上する事件がありました。さらに、今年に入ってからはキムチの起源を巡り、両国間の国民によるネット上での大バトルに発展したことも記憶に新しいのではないでしょうか。こうした中、今度は著名な詩人の国籍を巡り、韓国が中国に激怒しているというニュースが飛び込んできました。
 
中国メディアは、著名な詩人として知られている尹東柱ユン・ドンジュ)について、中国国内のインターネット上で朝鮮族と表記されていることに韓国が反発していることを報じています。
ユン・ドンジュは日本に留学してい期間に、抗日運動に参加したことがきっかけで日本で逮捕され、福岡県内の警察署で亡くなりました。1945年2月16日が命日だったこともあり、今月16日にユン・ドンジュの存在がピックアップされたのです。
 
ユン・ドンジュの生家がある中国吉林省延辺朝鮮族自治州龍井市には、同氏の石碑が建てられており石碑には「中国朝鮮族愛国詩人」と書かれていることも韓国では反発の声が高まっているのです。
韓国誠信女子大学の徐敬徳教授は、すでにユン・ドンジュの国籍を韓国籍に変更するよう、掲載元の中国百度百科に対し、抗議文を送ったことを明らかにしています。
 
韓国がこうした偉人の国籍や伝統文化の起源に強くこだわるのは国家誕生の背景が関係しているのかもしれません。現在の韓国の前身となった韓国臨時政府は現在の中国上海市で誕生しました。その後、杭州や南京など中国国内でその首都を移してきました。国家としての起源が他国にあったことも上記のような問題に執着してしまう原因となっているのかもしれません。
韓国には世界に誇る食文化やエンタメ文化などが数多くあります。過去の問題にこだわるより、こうした自国の素晴らしい文化の発信に目を向けてほしいと思うのですが。

春節突入の中国でリベンジ消費到来

新型コロナウイルスの影響による経済的打撃は多くの人々の生活を一変させてしまいました。中国では昨年の今頃は、多くの都市でロックっダウンや外出禁止措置がとられ、昨年1月〜3月の経済成長率は−6.8%と過去最大の落ち込みを記録してしまいました。
 
その後、健康コードアプリや徹底的なマスク対策、ワクチン接種対策のおかげで一日あたりの新規感染者数を一桁〜二桁台にまで引き下げることに成功しました。今月12日から春節の大型連休では、これまで積極的な消費活動や海外旅行などを行えなかった消費者によるリベンジ消費が見られ、経済回復を後押しする様子が各地で見られています。
 
中国現地メディアによると中国各地の映画館では春節初日の観客動員数が3403万人を突破し、過去最高観客動員数を記録したことを報じています。
 
さらに中国の首都・北京の代表的繁華街・王府井では連休期間中の2月11日〜14日の3日間だけで、53.3万人もの人々が訪れ、付近12のショッピングモールなどでは合わせて17億円もの売上が記録されています。さらに若者を中心に人気を集める杭州市湖滨歩行者エリアでは、昨年の同時期に比べ一日あたりの来客数が620%増の15.68万人を記録しています。北京市杭州市のほか、広東省上海市などの大型都市などの繁華街などのショッピングモールなどでも軒並み前年比500%増の売上を記録しており、リベンジ消費が顕著となっていることが伺えます。
日本としては中国人訪日客がいなくなったことで、各地の観光地や旅行産業全体に大きな経済的打撃を受けることとなりました。すでに多くの中国人ネットユーザーの中から、日本への旅行を切望する声があがっています。中国人のリベンジ消費の恩恵は間もなく日本にもやってくるのかもしれません。

愛の告白から復讐のお手伝いまで!中国の食品配達員の苦労

数年前から中国では食品の出前サービスが急成長しており、利用者数は約4.6億人、市場規模は6500億元(約10兆4000億円)と中国の主要産業の一つとなりつつあります。出前の配達員の数も)現在約300万人を突破しており、コロナ禍を追い風にさらに業界の勢いは大きく成長しています。
 
現在、中国の出前サービスは『美团外卖』  『饿了么』『百度外卖』  の3社による競争が激しさを見せているのです。他社との差別化を図るため、食品包装への工夫や料金の引き下げがこぞって行われてきました。
 
最近では配達員によるサービス提供の中身も多岐に渡っているようです。これまで食品の配達のみを行ってきた訳ですが、昨日のバレンタインデーでは配達員による代理告白サービスが行われたことが中国メディアで報じられ話題になっています。
 
この日、福建省福州市では食品の配達員の男性が、路上を歩いていた別の男性に突然花束を渡し、この男性に向かって「好きです!」と告げたのです。その後、配達員は男性に手紙を渡しその場を立ち去ります。手紙を渡された男性は何が起こったのか理解出来ていない様子でしたが、渡された手紙を見て知人の女性が、配達員に代理で愛の告白を頼んだことが分かり、周囲は笑顔に包まれたのです。


歩合制の配達員にとって、固定客の獲得は非常に重要で配達員のよってはこうした配達以外のサービスを行うことは珍しくありません。過去には配達員が女性客からの依頼で、女性客の元恋人の顔にヨーグルトを塗りたくるという事件があり、復讐に配達員が利用されるという出来事も起こっています。
 
市場競争の激化は配達員にも及び、顧客の無理難題にも対応しようとする姿が伺えます。顧客獲得のために中国の配達員は便利屋へとなりつつあるのかもしれません。

英BBC放送、中国での放送免許取消へ

イギリス公共放送BBCと中国政府の対立はいよいよ決定的なものとなりました。ご存知の通り、イギリスBBC放送は、新型コロナウイルスの発生源や新疆ウイグル自治区における人権問題などについて厳しく中国政府の対応を批判してきました。中国政府は新型コロナウイルスの発生源が中国であるとする報道や、新疆ウイグル自治区の人権問題について捏造されたフェイクニュースであると否定してきたのです。
 
こうした中、中国国内のテレビやラジオなどを管理監督する国家広播電視総局は、BBCの国際放送・ワールドニュースについて、中国国内での放送免許の取り消しを発表したのです。中国政府の事実上の報復措置と見られます。BBC放送はこれまでに新型コロナウイルスの名称について、“武漢肺炎”と地名を名指しして報じた他、“百毒不侵(中国には新年の言葉よりどんな毒にも侵されないという言葉がお似合いだ)”と、中国を皮肉る言葉を挙げ、中国を批判してきました。
その後もBBC放送は、中国に対し厳しい報道姿勢を貫いてきました。今月12日、BBC放送はオーストラリアの観光地の状況について報じ、この報道の中にも中国に対する差別的な言葉があったとして、環球時報など中国国営メディアなどが、「BBCが再び中国を挑発」と厳しく報じています。
 
BBC放送が報じた記事の中には、オーストラリアの観光地に現地在住の多くの中国人たちが訪れ、現地の住民たちに迷惑を掛けているというニュアンスが含まれていたのです。こうしたBBC放送の姿勢に対し、中国国内のメディアやネットユーザーからは非難の声が寄せられているのです。
中国と海外メディアの関係性については、中国は厳しく海外メディアの報道を検閲し、内容によっては中国国内でのメディア支局の追放や、記者ビザの取り消し措置など非常に厳しい対応を行ってきました。以前、日本の産経新聞は北京を追放されたこともありました。中国各地に多くの支局を置く日本のメディアにとっても、こうした事件は決して対岸の火事ではないのです。覇権主義を掲げる中国をどのように報じるのか、権力の監視機能を持つメディアの役割が今まさに試されているです。

黒人差別から3年、今年の春晩は独身者に対する蔑視で炎上

本日から春節を向かてている中国では、毎年恒例となっている“春晩”も放送されました。春晩とは、日本の紅白歌合戦のように国営放送CCTV春節の前日の大晦日に放送する特別番組で、人気アイドルや俳優・歌手が出演し、音楽・ダンス・ドラマなどが中継されるのです。近年ではインターネット配信の影響もあり、毎年10億人以上の中国国民や世界中の華僑たちが視聴していると言われているのです。
 
ところが、最近ではこの春晩の演出などを巡り、ネットユーザーたちの怒りを買い炎上するという出来事が多発していました。今年も例外に漏れず、春晩で放送されたドラマに厳しい意見が寄せられているようです。
 
ネットユーザーたちの怒りを買ってしまったドラマは、『休みの度に結婚を催促される』というタイトルの春節特別ドラマで、年老いた両親が未婚の適齢期を迎えた子供に結婚を催促するという内容でした。一見すると、コメディドラマのように思えますが、両親の子供に対する辛辣なセリフが物議を醸しているのです。

「うちの娘は28歳で未だに恋人もいないなんて」
「独身の犬野郎」
「結婚してダメだったら離婚してまた結婚すればいい」
 
中国では仕事や経済的な問題から結婚をしないという選択肢を選ぶ若者が増えていることから、独身者を痛烈に批判する今回のドラマのセリフに反感を覚える人が多かったのです。ネットユーザーからは、「独身であることをなぜバカにされたり嘲笑の対象とされるのか理解できない」「独身は犯罪であると言いたいのか」など、反発のコメントが多く投稿されています。
 
実は春晩がネットで炎上したのはこれが初めてではありません。2018年に放送された春晩では、演出の一部に黒人に対する人種差別があったとして、欧米メディアでも大きく報じられる事態となりました。当時放送された春晩の寸劇では、アフリカ系黒人出演者と共に、顔を黒塗りにした中国人女優が歌やダンスを披露しながら、アフリカでの中国による鉄道建設に感謝する場面や、黒人女性が中国人富裕層と結婚することを切望する場面などが描かれ、黒人の肌の色を大袈裟に表現する内容や、アフリカ地域を見下すような演出が人種差別だとして問題視されたのです。
3年前は人種差別と批判された春晩ですが、今年は独身者に対する蔑視が批判される結果となりました。果たして来年はどうなることでしょう。