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ソロモン諸島が台湾と国交断絶、中国の狙いとは

台湾は昨日、36年におよび国交を結んでいたソロモン諸島と国交断絶したことを発表しました。この日、ソロモンのソガバレ首相は台湾との国交を断絶し、中国と新たに国交を結んだことを発表しました。

 


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《ソモン諸島の位置》 

 


習近平政権が発足してから、中南米や南太平洋地域の国々ではそれまで台湾と結んでいた国交を断絶し、中国と新たに国交を結ぶ国が増えおり、この3年で台湾と国交を断絶した国は6ヶ国に上り、世界中で台湾と国交を結んでいる国はわずか16ヶ国となってしまいました。

 


当然、こうした背景には中国が推し進めている巨大経済域構想“一帯一路”が影響しています。中国は中国を中心とした陸と海の経済バンドの構築を推し進めています。中国は世界各国にこの一帯一路に参画するよう呼びかけており、時には経済的支援と引き換えに参画を促してきました。

 


実はソロモン諸島は、農業・漁業・農林業などが主な産業ですが部族間闘争などが影響し経済的には財政破綻に近い厳しい状態に直面していました。中国はこうしたソロモン諸島の財政状況を逆手に取り、経済支援の約束と引き換えに、中国と国交を結び一帯一路構想に参画するよう呼び掛けてきたのです。

 


南太平洋での中国の影響力拡大に警戒してきたアメリカやオーストラリアなどは、ソロモン諸島に対し様々な支援を行ってきました。今年6月にはオーストリア政府はソロモン諸島に190億円もの経済支援を行ったばかりでした。

 


中国はこれまで発展途上国などに経済支援を約束すると共に、一帯一路構想への参画を促してきましたが、国際社会からは「発展途上国を借金漬けにして無理矢理、中国の言うことを聞くよう迫るようなやり方は危険だ」という批判も強まっています。一帯一路構想には、台湾を国際社会から孤立させるという狙いもあり、今後も中国の手が緩むことはないと考えられます。