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中国九段線問題、ジャッキーチェンやスマホにも影響

国境を巡り多くの国と対立している中国。インドとカシミール地方のアチンを巡って戦闘を繰り広げたほか、同じ社会主義国のロシア(当時はソ連)とも中国北部に位置する珍宝島という小さな島の領有権を争った過去があります。

 

さらに日本との間では尖閣諸島の領有権を、韓国との間では蘇岩礁の領有権を巡り、論争を繰り広げてきました。

 

そんな領有権問題に今回、香港の映画スター、ジャッキーチェンが巻き込まれたようです。ジャッキーチェンは今月、ベトナムで慈善活動のイベントに参加予定でしたが、ベトナム国内でジャッキーの参加に反対する声が高まっていたため、主催側がジャッキーの参加を急遽取り止めました。ベトナムは、中国が独自に設定した領海線『九段線』を巡り中国への反発を強めていましたが、過去にジャッキーがこの九段線を支持する発言をしていたため、ベトナム国内でがジャッキーの参加に否定的な意見が相次いでいたのです。

 

《中国が領有権を主張し敷いた緑色の9本の線》

 

 

領有権に関わる中国の強気な態度は、スマートフォンの輸出入にも影響が出始めています。ベトナム現地メディアによると、ベトナム政府は、中国ブランドであるファーウェイとシャオミ製品の輸入を取り止めると発表しました。記事によると、両社のスマートフォンに内蔵されている地図アプリが、両国が領有権を主張している南シナ海南海諸島を全て中国領土として表示していたことをベトナム政府が問題視したためです。

 

ベトナム政府は先日開いた会見で「ベトナムの領土である場所に中国が一方的に国境を設定することは絶対に認められない。ファーウェイとシャオミのスマートフォンには九段線を引いた地図が内臓されているため、対抗措置を採った」としています。

 

先月公開された米中合作アニメ「アボミナブル」の劇中にも、九段線が引かれた地図が登場するシーンがありました。ベトナム政府はこの映画の上映を取り止めるなど、九段線の影響は様々な場面で見られるようになっています。

 

 

こうしたことからベトナムでは反中感情が急速に高まり、各地で死傷者が出るような激しい反中デモが行われています。各国の感情を逆撫している中国の領土問題。反中の動きは今、フィリピンなどにも広がっています。