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独身の日セールが開催!今年も3兆円突破ペースも、実際は大量返品か

中国では今、1年間で最も大規模なセールが行われています。というのも、今日は11月11日。一並びであることから“独身の日”と呼ばれ、アリババや京東などの大手ECサイトで大規模な値下げセールが行われているのです。世界的にも注目を集めるビックイベントとなっているこの“独身の日”のセールは、毎年売上額が更新され、昨年にはアリババがこの日だけで約3兆3300億円もの商品を売り上げました。

 

ちなみにアリババは今年、セール開始からわずか96秒で売上額を100億元(約1560億円)まで伸ばし、過去最速で100億元達成を成し遂げました。アリババが運営するECサイトタオバオを確認すると、現在、日本製の化粧品や美容品なども順調に売上を伸ばしています。

 



世界的に爆発的な盛り上がりを見せるこのビッグセールですが、利用する際は注意も必要です。昨年問題になったのは、ECサイトに出店していた業者による虚偽の値下げでした。セール当日、多くの業者が50%〜80%という大幅な値下げを行うのですが、昨年セール前日に急激な値上げを行っていたことが分かったのです。こうすることで、消費者に当日価格が大幅に安くなったと錯覚させられるわけです。消費者を騙す業者が相次いだことから、今年は当局の指導のもとECサイト側もセール直前の値上げを認めない方針を打ち出すなど、対策を打っていました。

 

また今年、過去最速で100億元を達成したアリババですが、この数字にも注意が必要です。以前もブログでお伝えした通り、例年このビッグセールで販売された商品の60%が返品されているからです。セール終了後、冷静になり、買い過ぎた商品を返品する消費者が多いのです。こうしたことを考慮に入れれば、毎年3兆円以上を売り上げるビッグセールも、実際の売上額はその4割程度と見ておくべきでしょう。とはいえ開始から96秒で100億元を突破したことを考えると、中国人の消費意欲はまだまだ旺盛だと言えるのではないでしょうか。