香港デモ支持企業、銀行口座が凍結か

日本でも大きく報じられている香港の大規模デモですが、中国政府は人民解放軍の影をちらつかせるとともに、武力鎮圧の正当性を主張しようとしています。そんな中、香港デモ参加者を経済的にも封じ込めようという動きも活発化しています。

 

中国メディア観察者網はこのほど、世界的にも有名なグローバル銀行・HSBCがデモ支持派とされている企業の銀行口座を凍結したと報じました。HSBCの関係者が明かしたところによると、同行が自身の法人口座を使い、デモ活動の資金集めをしていたため、本来あるべき企業としての経済活動が行われていないとみなされたのです。

 

 

この企業は、大規模デモが本格的に始まった日が6月12日だったことから、“612人道支援基金”という名でデモ活動資金などの支援金の募金をSNS上で呼びけていました。香港メディアによると、この基金はデモ参加者の医療費や心のケアなどにかかる費用として使われていたと言います。

 

銀行側は公式発表で、現在までにデモ支援を理由に口座を凍結したことはないとしていますが、香港市民の中にはこうした銀行側の動きを警戒し、預金を引き出す市民も増えています。香港当局はデモ鎮圧に向け、武力行使を行うなどますます強権的となっています。武力行使にとどまらず、経済的圧力を加え沈静化を図ろうとしている香港当局。イギリスのもとで培われた民主主義が音を立てて崩れ落ちようとしています。