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1日550人の子供が失踪する中国、発見のきっかけはペットボトル

中国で依然、深刻な社会問題となっている児童の失踪。行方不明となる子供の数は年間、20万にも達します。なんと一日平均約550人もの子供が行方不明となっているのです。その多くは人身売買組織による誘拐であり、子供達は性別や年齢によって50万円から200万円ほどで取り引きされているといいます。一度誘拐されしまうと、発見される可能性はわずか10万分の1。親にとっては絶望とも言える確率の低さです。
 
そんな中、画期的な取り組みによって行方不明だった子供が見つかるケースも増えてきました。中国メディアの報道によると、今月22日、2008年に行方不明となっていた当時4歳の男児が11年ぶりに親元に帰ってきたといいます。
 
2008年10月、中国広東省恵州市の自宅近くで自転車に乗って遊んでいた4歳の男児が行方不明となりました。男児の両親は7日間に渡り警察と共に自宅付近を捜索しましたが、全て無駄足に終わります。その後、中国全土で子供の情報を書いたビラを配ったり、テレビで放送してもらったりしましたが、男児はついに見つかりませんでした。
 
ところが行方不明となってから11年後、事件は急展開しました。行方不明となった広東省恵州市から遠く離れた浙江省寧波市で、15歳となった子供が発見されたのです。プライバシーのため、発見された経緯は伏せられていますが、きっかけはペットボトルのラベルだったと考えれています。中国では子供の失踪事件の解決のため、ペットボトルのラベルに行方不明となった子供の写真や個人情報を掲載し、販売する取り組みが2016年から始まっていました。今回行方不明となった子供も、このペットボトルのラベルに顔写真が掲載されていたため情報が寄せられたのではないかと考えれています。
 
《事件解決の鍵となった子供の写真をラベルにしたペットボトル》
 
現在、中国当局は行方不明となった児童を発見するため、AI技術を使った方法も導入しています。AIに子供の写真を読み込ませ、成長した子供の予想顔写真を作成し、情報を呼びかけるというものです。実際に方法が功を奏し、今年6月には4名の子供が発見に至っています。中国国内に2億台設置されいるAI監視カメラによって、成長した子供の顔を予想し捜索。発見に至ったのです。
 
中国では児童誘拐や人身売買は死刑に相当する重罪ですが、関連組織の撲滅には至っていません。今も発生している子供の誘拐や人身売買。AI技術による子供の発見に大きな期待が集まっています。