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中国版戸塚ヨットスクール?子供への虐待が相次ぐ中国の更生施設

日本では今から数十年前、未成年者の更生施設でも知られる愛知県知多郡美浜町のヨットスクール「戸塚ヨットスクール」で死亡事故が相次いぎ、大きな社会問題となりました。実は今、中国国内でもこうした子供の更生施設で同様の問題が発生し、大きな社会問題となっています。事件の背景に一体、何があったのでしょうか。
 
中国メディアによると、今月に入って中国四川省成都市にある更生施設「成都嘉年華青少年心理輔導中心」子供たちへの虐待や子供の自殺未遂などが発生していたことが分かり、地元当局が捜査を始めたと言います。
 
《学園が出していた看板》
 
この施設では、中国全国の素行に問題のある少年たちが親元を離れ共同生活をしていました。施設側は入園を希望する保護者に対して、「暴力・暴言を使わず子供たちを矯正する」と説明していました。しかしメディアが匿名で寄せられた情報を元に調査したところ、この学園では職員から生徒への暴力が日常的に行われていたのです。
 
具体的には、“矯正”の名の下、棒などで生徒の身体を殴り、消灯時間になるとビニールテープで身動きを取れないよう拘束していました。あまりにも劣悪な環境から、これまでに生徒による自殺未遂も起こっており、釘や眼鏡のガラス、洗剤などを飲み込み自殺しようとした生徒もいたといいます。
 
現在成都市の教育部は地元当局と共に園内での虐待事件について調査を行っており、学園は現在運営停止となっています。実は中国では、こうした更生施設での虐待事件が相次いで発生していますが、その背景にあるのが学力低下・ネット依存・スマホ依存・夜遊び・早期恋愛に走る子供の増加。それに伴い、手を焼いた親が更生施設に助けを求めるケースが増えているのです。そのため金儲けのために開園する業者も含め、この数年で更生施設の数が急増し、さほど経験のない指導員や施設が子供を預かる結果となっているのです。
 
今後は中国でも子供の命を預かる更生施設に対しては開園条件の厳格化など対策が行われていることになるでしょう。過去には死亡事件も起きている中国の更生施設。子供の安全が守られているはず学校で、こうした事件が二度と起こらないようにしなければなりません。