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今日は世界エイズデー、中国では1日10人の大学生がHIV感染

本日12月1日は、ある国際的な記念日ですが、ご存知の方はいるらっしゃるでしょうか?実は今日は“世界エイズデー”なのです。厚生労働省によると、「世界エイズデー(World AIDS Day:12月1日)は、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定したもので、毎年12月1日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動が行われています」。
 
その世界エイズデーに先立ち、中国国家衛生健康委員会は11月30日、中国国内のHIV感染者及びエイズ発症者に関する最新データを発表しました。データによると、今年10月までの中国のHIVエイズ患者数は95.8万人、今年1月〜10月までの間に新たにHIVに感染した人の数は、13.1万人に達しています。実は中国では、HIV感染者が増加傾向にあり、エイズ発症者の数も増加の一途を辿っているのです。
 
中でも増加傾向が顕著なのが大学生。湖北省は先日、今年10月までのHIVエイズ感染者を発表し、新たに149名の学生に感染が確認されたことを明らかにしました。これは前年比10%増という数字であり、中国の若者の間でいかにHIVが蔓延しているかをを物語っています。
 
実際、米科学雑誌《サイエンス》も今年6月号で、中国の大学生のHIV感染者数が年間30%というスピードで増加している、という衝撃的な論文を発表したばかりです。この数字が正しければ、中国では1日に10人以上の大学生がHIVに感染しているということになります。
 
中国ではこうした事態を打開するため、5年ほど前から全国の大学で「HIV検査キット」を自動販売機で販売する取り組みを始めましたほか、大学の授業に性教育の科目を設け、啓蒙活動などを行っています。しかし、今のところその効果は出ていないとみられ、HIVの感染者数に減少の兆しは見られません。
 
《中国の大学ではHIV検査キットを自動販売機で販売したり、こうしたコンドームの無料販売機も設置するなど対応しているが》
 
中国では学歴至上主義が災いし、小学校から高校までの教育課程において、性教育エイズに関する啓蒙教育が積極的に行われてきませんでした。その結果、性への知識がないまま大学生となってしまい、今のような状況に陥ってしまっているのです。家庭、学校を問わず、中国でも大人たちがもっと積極的に性に関わる知識を教えていかなければならないのではないでしょうか。