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幼稚園で園児たちが便所飯?

アメリカのトランプ大統領は今月27日、上院で可決された《香港の人権と民主主義に関する法案(香港人権法)》に署名しました。一方、中国政府はこうしたアメリカ側の措置を内政干渉であると厳しく非難、報復措置の発動を予告していました。
 
中国外交部(外務省に相当)は本日2日、記者会見を開き、アメリカへの報復措置第一弾として、《アメリカ系NGO団体への制裁》、《アメリカ軍艦の香港への寄港禁止》の2つを発表しました。中国外務省は、アメリカのいくつかのNGO団体が香港の動乱を支援し、「一つの中国」という大原則を崩そうとしているとしています。制裁の具体的な内容はまだ分かっていませんが、香港に滞在しているNGO関係者の拘束や、香港・中国への入国禁止を実施するのではないかと見られています。また、アメリカ軍艦の寄港を禁止した背景には、アメリカ軍による香港海域での威嚇行為と香港上陸を阻止し、香港におけるアメリカ政府の影響力を抑えたいという中国政府の思惑があります。
 
《香港デモ隊はアメリカでの香港人権法可決を受け、アメリカ国旗を持つようになった。デモ隊は背後にアメリカの支援があることをアピールすることで中国・香港政府を牽制したい狙いだ》
 
今後アメリカ政府は香港人権法を通じ、香港弾圧に関わった中国・香港政府関係者のブラックリストを作成し、アメリカへの入国禁止・アメリカ国内に蓄えられた資産の凍結・アメリカ国内での経済活動の禁止などを進める見通しで、このブラックリストには、香港トップの林鄭月娥行政長官の名前も挙がっているとされています。
 
現在、アメリカとの貿易交渉の停滞、国内経済の成長鈍化、ウイグル人権問題、香港デモなど政権運営を揺るがす可能性のある大きな問題をいくつも抱えている中国の習近平政権。こうした問題の対応を少しでも誤れば、一党独裁体制の持続は難しくなるでしょう。
 
それでも中国が香港に武力鎮圧を行わないのは、国際社会からの非難に敏感になっているためです。しかし、アメリカを始めとする国際社会が中国への圧力を最大限まで強めれば、中国も制御不能となり、突発的に香港への武力鎮圧を行う可能性も否定できません。これまでの世界の歴史を振り替えって見れば、国際社会からの圧力に耐えかね、武力による解決を選択せざる得なかった、という事例は日本を含め数多くあります。
 
今後、中国に対する国際社会から圧力はさらに強まりを見せていくでしょう。激化を見せる香港問題で、中国人は落としどころを見つけられるのでしょうか。アメリカの制裁が良い方向に向かってくれれば良いのですが。