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中国で5G通信に対応の5Gグラスが登場!懸念の声も

追加関税に加え、アメリカ議会が可決した香港・ウイグル人権法に中国政府が反発を強めるなど、政治、経済を問わず激しさを増す米中摩擦。その一つに5G通信の覇権争いがあります。中国はヨーロッパや東南アジア、アフリカなど世界中で5Gのインフラ整備を進めています。

 

我々からすると、5G通信と言えば単にスマートフォンの通信速度が早くなるくらいの印象ですが、実は私たちの生活にも大きな変革をもたらす技術です。高速通信が現在の4G回線の100倍以上となることで、ロボットを使った遠隔地からの手術の実施、AI &5G通信による自動運転自動車の実用化、在宅勤務の推進化などが一気に現実のものとなるのです。

 

中国はすでに今年11月、国内50の都市で5Gサービス開始しており、契約者は1000万人を超えました。

 

そして中国ではこの5G技術を政府当局が率先して導入。先月から香港への窓口である深セン市の税関が通行者の審査に5G通信対応の“5Gグラス(メガネ)”を導入しました。

 

 

 

 

《5Gグラスをかける税関職員》

 

スマートフォンに接続して使用するこの5Gグラスは、税関職員が通行者の顔に視点を合わせると、顔認証で通行者の個人情報が即座にスマートフォンに表示される仕組みとなっています。本名、パスポート番号、犯罪歴などが一目で分かるのです。危険な経歴を持つ通行者が通過しようとすれば、自動で警告メッセージが職員のスマートフォンに表示されるのです。

 

当局者によれば、この5Gグラスの導入によって、この半月の間にスマートフォンなど電子機器の密輸事件を複数件未然に防ぐことに成功したといいます。ただ、今後懸念されるのは、こうした技術が現在発生している香港大規模デモ参加者へも適用されるのではないかということです。すでに香港当局はデモ参加者の顔情報などを収集しており、今後も摘発が行われていくと見られます。このため、デモ参加者たちはマスクで顔を隠すなどの対策をしています。

 

もし香港当局がこうしたデモ参加者の顔情報を中国当局と共有をするようになれば、税関での摘発も可能となってしまいます。ハイテク国家となった中国ですが、その使い方について議論が行われないまま導入が始まったことに、危機感を覚える人も多いのではないでしょうか。