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中国が今月春節突入、今年も大量の中国人が日本へ?

新年あけましておめでとうございます。今年も中国や中華圏の気になるニュースをお伝えして参りたいと思います。今年も宜しくお願い致します。


正月を迎えた日本。連休を利用し、旅行や帰省をしている人も多いのではないでしょうか。一方、中国も今月、旧正月(春節)の大型連休入ります。今年の春節休暇は1月25日からおよそ1週間。日本同様、毎年この時期には帰省したり国内外へ旅行に出る中国人が多く、その数の多さから「民族大移動」と呼ばれるほどです。


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春節の時期になるとこうした光景が駅では当たり前に見られる》


中国メディアによると、今年は春節の連休中、4.5億人が国内外旅行に出るといいます。そんな中、海外旅行先として人気が上がっているのが日本です。今年は、アジアの人気旅先先ランキングで日本の観光地が6つもランクインしていることが分かりました。ランキングは以下の通りです。

 

1位:バンコク(タイ)
2位:大阪(日本)
3位:東京(日本)
4位:パタヤ(タイ)
5位:ニャチャン(ベトナム)
6位:シンガポール
7位:京都(日本)
8位:奈良(日本)
9位:名古屋(日本)
10位:北海道(日本)


このランキングを見ると、他のアジア地域と比べても、中国人が訪れる地域が突出して多いことが分かります。このような結果となった背景には、数年前まで上位に上がっていた韓国と台湾の人気後退が挙げられます。


韓国は2017年、在韓米軍によるサードミサイルの設置を許可したため、中国政府が非常に強い口調で批判しました。さらに中国はその直後、事実上の経済報復を行い、韓国系企業を中国市場から駆逐、国民には韓国への旅行を控えるよう呼び掛けたのです。その結果、韓国では2016年に800万人も訪れていた中国人がサードミサイル配備後の2017年には、400万人と半減してしまったのです。実際、中国人観光客に人気だったソウルなどでは土産屋や飲食店が閉店に追い込まれるなど、観光業は致命的な傷を負いました。


一方の台湾ですが、2008年頃から中国との間で、互いの国民が観光に行けるようにする取り決めを行い、毎年400万人近い中国人が訪れるようになっていました。しかし、2016年に台湾で独立志向の強い民進党政権が樹立されると、中国人の観光客数は半数前後まで激減。さらに今年、香港デモが発生すると、蔡英文政権がデモを擁護する発言をしため、中国政府が国民の台湾への個人旅行を暫定的に禁止しました。


こうした事情もあり、台湾や韓国を訪れる中国人が激減しその分、旅行先として日本を選ぶ中国人が増加しているのです。さらに、香港を訪れようとしていた中国人の中にデモの影響から旅行先を日本に変更した人も多かったのではないかと考えられます。今年の春節ではこれまで以上に多くの中国人が日本を訪れることになるでしょう。中国と周辺国の政治問題によって観光バブルを迎えている日本。その恩恵はいつまで続くのでしょうか。