周来友ブログ

周来友オフィシャルブログ

《未知なる感染病》と《人権》

武漢で発生した新型コロナウイルスの感染者数は明日にも8000人を超える勢いとなっています。数日以内には1万人を超える見通しとなっています。現在も感染者数拡大に歯止めが効かない状況の中、中国ではデマによる風評被害武漢の人々に対する差別も深刻な問題となっています。


中国メディアはこの春節期間中、武漢から故郷に帰省した人々が地元で村八分とも言える差別を受けていることを報じています。記事によると、武漢から河北省の故郷に帰省した人の自宅に地元公安当局が訪れ、自宅のドアに『武漢から帰省している人』という貼り紙を貼った上、自宅軟禁を強制するため、ドアに板を打ちつけ外出できないようにしたと伝えています。

 

f:id:zhoulaiyou:20200205083451j:image

この模様は動画にも撮影され、中国版Twitter・ウェイボーにも投稿されるなどし、中国国内では武漢人や武漢から滞在者に対する人権を無視した行為ではないかとネットユーザーを中心に議論の的となっているのです。


今回の問題、現在の日本にも共通する部分があるのではないでしょうか。日本政府は先日、武漢在住の日本人を日本に帰国させるためチャーター機を派遣し、現地の日本人を日本に帰国させました。その一方で、帰国した日本人の中からは、新型コロナウイルスの感染検査の受診を拒否した人がいました。政府は人権の観点から検査を強制できないとし、やむなく検査拒否を受け入れた形となりました。


当然ながら感染していた場合、新型コロナウイルスを第三者に感染させてしまう恐れもあり、ネットユーザーからは強制的に隔離してでも検査を受けさせるべきだという議論も多く寄せられ、こうした場合の対処について課題を残す形となりました。


《未知なる感染病》と《人権》という相入れない今回の出来事、人権に配慮しつつ感染拡大を水際で食い止めなければならない難しさを痛感した出来事となりました。