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新型肺炎に有効な漢方を国営メディアが肯定、そして否定

新型コロナウイルスに対する特効薬の開発が進められる中、中国では『双黄連』という漢方に大きな注目が集まっています。中国国営メディア・新華社通信は1月31日、公式SNS上に「『双黄連』が新型コロナウイルスの薬として有効である」とする文章を投稿しました。


双黄連とは古くから中国に伝わる漢方薬の一つで風邪薬として服用されてきました。四川省雲南省原産の双黄連は日本では、オウレンとして知られています。

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今回の国営メディアの発表によって中国各地では混乱も見られました。この『双黄連』を買い求める中国市民が薬局に押しかけたのです。中国国内の薬局では『双黄連』がすでに品切れとなり、ネット上では高額転売する者も現れています。さらに貴州省では、この『双黄連』を購入出来なかった市民の中には、山に登り自然に生えている『双黄連』を採集する者の存在も報じられています。


中国国営メディアの今回の発表に多くの市民が期待を寄せる一方、中国共産党機関紙・人民日報は新華社通信の報道に対して、「現在まで科学的検証が行われているが、効果があるという根拠はない」として否定的な立場であることを主張したのです。f:id:zhoulaiyou:20200205084017j:image


《双黄連が有効であるという新華社の報道を誤報であると間接的に否定するメディアも》

 


互いに国営メディアであるはずの新華社通信の報道を、人民日報が否定するという珍しい現象が起こっているのです。新型コロナウイルスについて、日々報告される症状や効果のある医薬品など、様々な情報が錯綜するあまり、国営メディアにおいても足並みが揃わないほど混乱していることが分かります。


中国国民の中には、新型コロナウイルスについて積極的に海外メディアの情報に触れようとする者も多くみられます。さらに、大手メディアの中には、中国政府の対応不足を痛烈に批判するメディアも現れ始めています。


これまで厳しいメディア統制を敷いていた中国、新型コロナウイルスをきっかけに中国のメディア体制も大きな変革を迎えるのかもしれません。