無症状のスーパースプレッダー出現の可能性も

ついに新型コロナウイルスによる死亡者が100名を突破し、確認された感染者の数も5000人を超えようとしています。感染症などの研究で知られる米ジョンズ・ホプキンス大学はホームページ上で、感染者数がすでに35万人を超えている可能性を指摘するなど、今後も右肩上がりに感染者が増加すると見られています。

中国国家衛生健康委員会は、感染者にはこれまで発熱など症状が見られていたと発表してきた新型コロナウイルスですが、ついに無症状の患者の存在が報告されました。

河南出身の20代の女性は、居住していた武漢から実家のある河南省に今月10日、里帰りをしていました。実家では両親のほか、複数の親戚と接触しその結果、武漢に行ったことのない両親や親戚合わせて5名が新型コロナウイルスに感染したのです。

中国メディアによると、この女性の父親（45）は、これまで一度も武漢を訪れたことがないにも関わらず23日から発熱や気管支炎などの症状が現れました。女性の複数の親戚にも24日頃から同様の症状が見られ、検査の結果、家族・親戚合わせ5名が新型コロナウイルスに感染していることが判明したのです。47歳の親戚女性に至っては、重症となっています。

家族・親戚5名の感染源となってしまった20代の女性については現在まで全く発熱などの症状も現れることなく、無症状のうちに感染を広げていたことが分かったのです。こうした事実から、ヒトヒト感染が確実に発生していることや感染しても無症状の感染者が存在することも証明されてしまいました。

無症状のうちに第三者へ感染させてしまうことが分かった今回の出来事ですが、新型コロナウイルスの変異が現れ始めている予兆なのかもしれません。スーパースプレッダーの出現を警戒する中国政府ですが、無症状のスーパースプレッダーの出現も視野に対策が必要となってくるのでしょうか。