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新型コロナウイルス、発生源は武漢海鮮市場でなかった可能性が濃厚

中国国内の私企業が運営するメディアとして、異例の存在感を放つメディアがあります。財経と呼ばれるメディアです。私企業が運営するメディアですが、これまで様々な社会問題や、時には政権批判となるような記事も掲載するなど、その取材姿勢には大きな注目が集まってきました。そんな中、財経が今回の新型コロナウイルスについて、その発生が昨年11月にすでに発生しており、更にすでに変異もこれまでずっと発生してきたという衝撃的な記事を掲載しました。


記事は、中国南方医科大学が今月22日に発表したことを報じています。南方医科大学の専門チームでは新型コロナウイルスの38の検体について遺伝子分析を行った結果、新型コロナウイルスは昨年11月にはすでに発生していたことを突き止めたのです。中国衛生当局はこれまで新型コロナウイルスの発生日時について、12月8日が有力だと発表していきましたが、今回の発表により更にそれが早まりました。


またウイルスの変異についても、発生当初から現在に至るまで大きくはないが多少の変化が見られると結論付けたのです。同研究チームの発表によれば、発生初期から現在まで117個の違いが発見されたとしながらも急進的な変化は見られないとしています。

 


北京中日友好病院および武漢金銀潭病院の専門家たちが1月24日、医学雑誌《ランセット》に掲載した論文には、初めて新型コロナウイルスに感染した患者が出現したのは12月1日である可能性が高いとする記述があり、これが事実であれば潜伏期間などを考慮しても、新型コロナウイルスが11月に出現していた可能性は高まります。


初めて新型コロナウイルスに感染したとされる患者ですが、実は武漢の海鮮市場に訪れた経歴がなく、米ジョージタウン大学の伝染病学の専門家・Daniel Lucey氏は科学雑誌《サイエンス》に、新型コロナウイルスは海鮮市場ではない別の場所で発生し、その後、海鮮市場に侵入し同市場内で感染が拡大したとする論文を発表しています。

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《これまで発生源とされていた海鮮市場》


これまで武漢市の海鮮市場で発生したとされてきた新型コロナウイルスですが、その発生源については、多くの専門家や研究チームが海鮮市場説を否定するようになっており、今後本当の感染経路の解明が行われることになるでしょう。