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新型コロナウイルスの影で、鳥インフルエンザも発生

新型コロナウイルスが世界中に広がる中、鳥インフルエンザもひっそりと流行の兆しを見せていることをご存知でしょうか? 


新型コロナウイルスの患者数が特に多いのは湖北省ですが、そのお隣の湖南省では今月初め「H5N1型」の鳥インフルエンザ感染が確認されました。感染が認められたのは湖南省邵陽市の養鶏場で、これまでに4500羽が死に、18000羽が殺処分となっています。


さらに時を同じくし、今月初めから台湾の雲林県で「H5N2型」の鳥インフルエンザが発生。雲林県は感染拡大を抑止するため、家畜として飼育されていた約12000匹のニワトリが殺処分しています。さらに、今月24日には雲林県に隣接する屏東県でも同じ型の鳥インフルエンザが発生し、約30000匹のニワトリが殺処分されました。

 

また、四川省でも今月20日に省内の養鶏場で「H5N6型」の鳥インフルエンザが発生し、約2000羽のニワトリが死亡していることが分かっています。

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《消毒を行う台湾当局


湖南省で発生した「H5N1型」の鳥インフルエンザ。人への感染が初めて確認されたのは1997年の香港で、この時は18人が感染し、6名が死亡しました。その後、数年おきに東南アジアなどで人への感染が確認され、これまでに世界で400名以上が命を落としています。


人への感染やヒトヒト感染の感染力が比較的弱かったことから、これまでパンデミックは起こっていないものの、致死率は50%以上と極めて高く、今回確認された鳥インフルエンザに警戒感が高まっています。万が一、鳥インフルエンザに変異が起こり、感染力が強まれば、致死率が今回の新型コロナウイルスを大きく上回ることもあり、中国は2つの危険なウイルスで身動きが取れない状況になってしまうからです。

 

新型コロナウイルスの影に隠れ、注目度の高くない鳥インフルエンザですが、現在、中国や台湾で存在感を増しつつあり、今後、養鶏業などへの影響も含め、新型コロナウイルスで経済全体が打撃を受けている中国に更なる打撃を与えることになりそうです。