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湖北省で地元住民が抗議活動、一体なにが?

新たな新型コロナウイルスの感染者数が一桁まで減少した中国。ようやく感染収束の見通しが立ち始め、武漢入りした習近平国家主席が自ら事実上の収束宣言を行いました。しかしその一方で、長期に渡り外出を禁じられていた国民は不満を募らせているようです。


中国では今も、行政による呼びかけの下、外出を控える市民たちが少なくありません。このため、食料品や生活必需品などの物資は配送業者などが販売、搬送しています。

 

そんな中、湖北省考感市の住宅街で今月12日、数百名の市民が広場に集まり、地元当局を巻き込む大騒動を引き起こしました。原因となったのは配送業者が運んでくる物資の価格の高さ。物資の値段が高いと住民から不満が相次いでいた住宅地で、別の業者が低価格で物資を販売し始めたところ、元から販売を行っていた販売業者が反発したのです。

 

仕事を奪われると警戒した元の業者は、新しくやってきた業者を追い出すべく警察に通報しものの、普段から価格に不満を持っていた住民数百名が一斉に現場に駆けつけ、後から来た業者を擁護。警察に対し普段から物資の価格が高騰していたと窮状を訴えました。

 

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《物資の価格が高いことに不満を感じていた住民たちが一斉に集まった》


こうした地元住民の動きに危機感を覚えた考感市政府は、すぐに対策会議を開き「政府が積極的に市場経済に関わり、低価格で物資が提供できるよう専門の対策本部を成立した」と発表しました。


新型コロナウイルスが落ち着きを見せ始めた中国ですが、国民の間では、経済面や外出の自粛などによるストレスが高まっており、そのストレスの矛先が政府に向かい始めています。今回、地元政府がいち早く対応策を講じた背景には、住民の不満が政府に向かわないようにしたいという狙いがあるとみられます。今後も、こうしたトラブルをきっかけに、住民と政府の対立が深まる可能性もあるかもしれません。