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中国最大のダム決壊の恐れも、6億人に影響も

日本ではあまり報じられていませんが、今中国では内陸部を中心に大雨が続いており、各地で洪水の被害が報告されています。中国中央気象台の発表によると、湖南省中北部、湖北省東南部、安徽省南部では現在も豪雨が続いているようです。

 

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今月15日までに豪雨の被害は広東省広西チワン族自治区湖南省江西省、貴州など24の地域に拡大。7300棟の住居が倒壊などの被害を受け、約50万人が避難生活を強いられています。また、豪雨による経済損失はすでに、およそ206億元(約3000億円)まで膨れ上がりました。

 

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そして、この長期にわたる豪雨で、今中国では、国内最大のダムと言われる三峡ダムの決壊まで懸念されています。万が一、三峡ダムが決壊すれば、人口の約半数に当たる6億人が何かしらの被害を受けるとみられています。


中国の行政機関である国務院は今月23日に、現在暴雨により発生している長江流域の洪水被害について協議を実施、洪水の対応や救助態勢などについて話し合いが行われ、洪水被害を最小に食い止めるため三峡ダムの貯水量を調整することが決まりました。


しかし、三峡ダムについては以前から、その建設過程に不備があったことが指摘されており、その貯水能力についても海外メディアから疑問の声が寄せられていました。実際に、昨年撮影された三峡ダム衛星写真から、ダムを囲うコンクリートが水圧に耐え切れず変形している様子も確認されています。

 

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《海外メディアなどが報じた三峡ダムの変形写真》


三峡ダムが変形し、危険な状態にあるという情報について中国メディアは、衛星画像が歪んで見えるのは、撮影された角度や光の問題であり、実際には全く問題ないと報じました。とは言え、現在三峡ダムの水位が147メートルを超え、貯水力も限界を迎えようとしていることは紛れもない事実です。大勢の人の命に関わるダムの決壊。何事もなく、天候が回復してくれることを祈るばかりです。