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貴州省で公営バスが突然、湖に落下!一体なぜ?

昨日、中国では全国で実施された大学入試が終了しました。中国では経済成長が加速した2000年以降から、大学進学率が急上昇しその結果、この数年の受験者数は1000万人を超えています。大学進学率が急上昇したことで、中国社会は一気に学歴社会へと突入したのです。

ところが残念ながら、この学歴社会の弊害は学歴至上主義という形で中国社会に暗い影を落としています。毎年この時期になると、大学受験のプレッシャーに耐え切れず、自殺する若者が増加してしまうのです。今年は大学受験を巡り、多数の死者が出る大規模な交通事故が発生しました。

 

7月7日昼12時頃、中国貴州省を走っていた公営バスが突然暴走し、欄干を突き破り湖に落下する事故が発生しました。この事故直後、警察や公安、救助隊など1100名による救出活動が行われ、乗客乗員37名が救出されましたが、21名の死亡が確認され、16名が重軽傷を負いました。
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軽傷を負った乗客の高校生によると、事故発生直前まで運転手に異常などは感じられず、バスが湖に差し掛かったところで突然、バスが方向を変え湖に向かって猛スピードで走りだし湖に落下した証言しています。バスを運転していたのは52歳の男性で、1997年から運転手として勤務しており、ベテラン運転手だったと言います。

事故原因について、一部のネットメディアでは「運転手の娘が昨年、大学受験に失敗し自殺したことで、運転手は精神的な問題を抱えていた。バスに乗っていた受験生を巻き込み自殺した」と報じていますが、詳しい事故原因については現在までに公式発表はありません。

多くの受験生も犠牲になったと報じられる今回の事故や、毎年のように報じられる受験を巡る自殺や事故。学歴至上主義の弊害が顕著となっていることを象徴しているかのように感じられます。今後中国では、受験競争を煽るだけでなく、受験生の心理的なケアなども課題となってくるのではないでしょうか。