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小学生がガンの医学論文を発表、不正疑惑?

昨年12月、韓国では文在寅大統領の側近だったチョ・グク前法相の娘や息子の大学不正入学疑惑を巡り、検察が捜査を行うなど大きな問題となったことは記憶に新しいと思います。有名大学への入学を有利に進めるため、医学論文の執筆者として子供の名前を不正に掲載した疑惑です。

 

実は中国でも、同様の事件が発生しメディアが大きく報じています。中国では毎年、小中学生が自主的に研究した学問の成果を発表する大会として、“全国青少年科技創新大会”が開催されます。

 

今年の優秀賞3位に選ばれたのは、武漢市の2名の小学生児童が発表した「お茶の抗がん作用」に関する研究論文でした。お茶に含まれるポリフェノールが腫瘍やガンの発生を予防するという医学的にも非常に高度な研究内容だったです。

 

論文には、実験用マウスの肝臓などが用いられ、臓器に腫瘍のあるマウスにポリフェノールを与えた結果について書かれているのです。小学3年生と小学5年生の児童2人が共同研究した訳ですが、果たして小学生に実験用マウスが手に入るのでしょうか。

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あまりに高度な論文だったことから、中国では「親や教師が関係しているのではないか」という疑惑が持ち上がったのです。中国メディアによると、2人の児童の内、1人の児童の父親は武漢大学基礎医学部の学部長であったことが判明しており、疑惑はさらに深まっています。

 

さらに、同大会で同じく優秀賞に選ばれた小学六年生の児童は「大腸がんの発生過程におけるC10orf67の功能メカニズム」という非常に難解なガンの論文を発表しました。やはり、この児童の父親も中国科学院動物研究所の研究員であることが判明し、同じく疑惑を呼んでいるのです。

 

なぜこのような事件が相次いで発生しているのでしょうか。今回のような全国大会で優秀賞を獲得した場合、韓国同様、高校や大学への推薦入学を有利に進められるからなのです。学歴至上主義となった弊害と言えるでしょう。学歴を高める前に、まずは親子で道徳の勉強をした方がよいのかもしれません。