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米中関係さらに悪化、懸念される突発的戦闘

アメリカ政府は「在米中国領事館が知的財産権を侵害し、スパイを領事館内に匿っている」として、ヒューストンにある中国領事館を強制的な閉鎖する決定を下しました。これを受け、中国外交部の華春栄報道官は本日26日Twitter上で、「アメリカの当局者が中国領事館の鍵を壊し、領事館に侵入した。押し入り強盗のようだ。“外交関係に関するウィーン条約”や、外交特権に違反する行為である」とアメリカ政府を強く非難する声明を発表しました。

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そして報復措置として中国政府が発表したのが、成都にあるアメリカ領事館の閉鎖です。


成都アメリカ領事館では本日、アメリカ側が手配した多数のトラックが領事館に出入りし、領事館内の書類や荷物を外に運び出す作業が行われました。領事館の外には地元住民が駆け付け、中国国歌を歌う様子や領事館の塀にスローガンをかけようとする姿が確認され、公安当局に制止されるという一幕もありました。

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アメリカが中国領事館閉鎖を決定した背景には、国内に広がる新型コロナウイルスの感染拡大に対する不満を外に向けると同時に、「強いトランプ政権」をアピールすることで11月に行われる大統領選挙で再選を果たしたいという思惑があります。一方の中国も同様で、アメリカとの対立を鮮明にすることで、新型コロナウイルスや洪水被害への対応に不満を抱く国民感情アメリカに向かわせたいという狙いがあります。


そして、チキンレースとも言えるこの米中間の対立は、少なくとも今年11月までは改善される見通しはありません。この間、南シナ海や台湾海域で突発的な戦闘も起こる可能性も指摘されています。米中の対立は日本にとって決して対岸の火事ではありません。国会審議中に漫画や小説を読んでいる国会議員の皆さん、ぜひ今後の国際情勢にもっと関心を持ってください。