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米ノーステキサス大学、中国人留学生の排除を決定

アメリカが進める中国排除。その対象は電子通信機器にとどまらず、スマートフォンアプリにまで及んでいます。そして今、米国内に滞在する中国人留学生や研究員も、その対象となっているようです。
 
米ノーステキサス大学は今月26日、中国の公費留学生の管理機関である“中国国家留学基金委員会”との交流関係を停止すると発表しました。
 
地元メディアによると、同大学は公費留学制度を利用し留学にきている15名の中国人留学生に対し、1ヶ月以内にアメリカから離れるよう命じたといいます。これまでアメリカ政府やFBI(連邦捜査局)は、中国人留学生や研究員の一部がスパイとして潜り込んだアメリカの大学でテクノロジー技術などを盗み、中国当局へ不正に渡していると指摘してきました。今回のノーステキサス大学の措置は、そうした主張をしてきたアメリカ政府の意向に沿ったものだと考えられています。
《学校から出る中国人留学生や研究員たち》
 
しかし、ノーステキサス大学は今回の措置に至った具体的な理由などは明らかにしておらず、米国内の中国人社会では波紋が広がっています。アメリカ国内には、今回の措置が勉学の自由に反するものであり、人権侵害だと指摘する声も多く、現在、署名活動も行われています。
 
中国外交部も9月1日に行われた定例記者会見の場で「中米の国交樹立から41年間、中米は友好的な学術交流を行ってきた。今回の報道が事実なら、中米間の人的、文化的交流が断たれることになる。アメリカは両国民の交流の重要性を冷静に理解するべきだ」と、アメリカに対話を呼び掛けました。
 
これまでアメリカ政府やトランプ大統領に対し、強気の発言が目立っていた中国ですが、アメリカが中国製通信機器やアプリの排除を決めた頃から、対話路線へと転換を始めていました。落とし所も探れぬまま、米中関係はどこまで悪化していくのでしょうか。