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半沢直樹、なぜ中国でも人気?

TBS日曜ドラマ『半沢直樹』の人気が止まりません。先週放送された第8話では視聴率25.6%を記録しています。


 
実は半沢直樹の人気は、日本だけにとどまりません。中国でも半沢直樹は大人気で、中国国内の動画サイトなどでは、違法にアップロードされたと思われる字幕付き動画が数多く目につきます。中国で日本のドラマが話題になることは珍しくないのですが、これまでに中国で話題になったドラマの多くは人気アイドルのものが中心で、半沢直樹の中国での人気は過去に例を見ないほどと言っても過言ではありません。
 
中国のSNSでは半沢直樹について、「大和田と半沢が共闘するシーンに感動した!大きな敵に立ち向かうために、嫌いな人と手を組むなんて中国人には真似できない」「半沢直樹を観ることが自分のストレス解消になっている。会社でのイライラを代弁してもらっているようだ」「新型コロナウイルスが収束したら日本に行って半沢直樹のロケ地巡りをしてみたい」などのコメントが寄せられています。
 
中国でここまで日本のドラマが人気となった理由の一つには中国の社会情勢が挙げられるのではないでしょうか。皆さんもご存知のように中国では毎日のように大企業や政治家、高官などによる汚職事件が報じられています。その金額も日本の汚職事件とは桁違いで、数百億円にも上るということは決して珍しくありません。しかし、中国ではこうした汚職事件について、庶民が糾弾するということは許されていません。汚職事件や政治の闇について、庶民の糾弾や不満の表現を許せば政府批判につながる恐れがあるためです。
 
中国の社会システムでは、組織の幹部に権力一極集中が起きやすく、庶民はこうした権力者の横暴や不正行為にストレスを感じてきました。大企業や政府の権力者にサラリーマンが立ち向かうというストーリーに中国人が共感するのには、そうした理由があるのではないでしょうか。