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国際的孤立感の高まる中国、習近平政権に黄色信号点滅か

香港問題や台湾関係、海洋進出、ウイグル族への対応などを巡り、世界各国から非難を浴びている中国。世界的孤立がますます進んできました。そのため、これまで強硬的な姿勢を見せてきたアメリカに対しても、最近は対話路線にシフトするなど、外交戦略の変化を余儀なくされています。そして、こうした変化は今、アメリカだけでなく発展途上国に対しても見られれるようになってきました。
 
習近平国家主席の肝入り政策として知られる巨大経済圏構想 “ 一帯一路 ”では、将来マーケットが急拡大するであろうアフリカ諸国を重要拠点として経済投資を行ってきました。
 


アフリカ各国に、港の建設や鉄道建設といったインフラ整備の支援を行い、これまで15兆円以上の貸付も行ってきたのです。返済能力のない発展途上国にも多額の貸付を行なってきましたが、それも返済不能となった際、政治的圧力を加えられるとの思惑があるからこそ。多額の貸付によりアフリカ大陸での発言力拡大を狙っていたのです。
 
 
 
しかし、中国のこうした外交政策は、“借金外交”などとも言われ、各国から批判を浴びてきました。そこへ加わったのが世界的孤立感の高まりです。このため、中国は更なる孤立を避けるべく、債務貸付を行なった77ヵ国の発展途上国に、返済の一時的な停止を発表しました。
 
中国は2000年〜2014年までの15年間で、140ヵ国以上の発展途上国に総額3620億ドルもの経済支援や貸付を行なってきました。ちなみにアメリカの経済支援や貸付は同時期、約4000億ドルとなっています。
 
この4年ほどの間で、中国が発展途上国に行った経済支援や貸付の額は、およそ100兆円。しかし、中国の対途上国投資については国内からも慎重論が上がっていました。中国では依然、1億人以上の農業従事者が経済成長の恩恵とは無縁の苦しい生活を送っているからです。中国政府は農村部でも、ややゆとりのある生活を送れる社会、“小康社会”の実現を目指してきましたが、仮に、この100兆円を1億人の貧困層に回した場合、1人当たり6万元(およそ100万円)に給付することが可能となり、小康社会を達成出来ることになるのです。
 
国内の貧困問題を後回しにし、海外への投資を強化する中国政府。国際的な孤立感も高まったことで、国内外から厳しい目に晒されることになりました。盤石と言われてきた習近平政権に黄色信号が灯っていることは明らかでしょう。