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新型コロナウイルスをきっかけに野生動物の売買禁止をしたはずだったが?!

新型コロナウイルスの発生源については今も諸説ありますが、有力とされているのがコウモリです。コウモリに寄生したコロナウイルスが、中間宿主であるセンザンコウを通じ、人間に感染したというのです。
 
古来より滋養強壮に効能があるとして、中国の一部地域で食用とされてきたコウモリや竹ネズミ、亀、ハクビシンなどの野生動物。しかし、こうした野生動物が新型コロナウイルスの感染源ではないかと指摘されたことから、中国政府は今年に入り、野生動物の売買禁止を正式に決定しました。
 
しかし、こうした新たな政策が施行されたかかわらず、野生動物の食用販売業者は今も各地で販売を続けているようです。
 
中国メディアはこのほど、広東省清遠市、湛江市、江門市にある3つの農産物卸売市場で潜入調査を行いました。その結果、いずれの市場でも、売買が禁止されているはずの野生動物が販売されている様子が確認されたのです。
 
地元メディアが野生動物の購入客を装い、清遠市内の市場にいた業者に接触すると、業者の男はシャッターで閉まった扉を開け、倉庫のような場所に記者を案内しました。すると、そこには大量の木箱が積み上げられており、その中から野生のヘビが出てきたのです。業者の話では、当局への通報や捜査に警戒し、捕まえた野生のヘビの販売相手は基本的に顔見知りの常連客のみだということでした。
 


また、同じ広東省にある湛江市内の市場でも、同様に野生動物の販売が行われていたことが判明しました。中国で重要保護生物に指定され売買が禁止されているはずのカブトガニなどが食用として販売されていたのです。
 
さらに、同じく江門市の畜産物卸売市場でも野生動物の販売が確認され、販売されていた野生動物の中には、新型コロナウイルスの中間宿主の候補に上がっていた竹ネズミやヘビ、重要保護生物のミナミイシガメなども含まれていたと言います。
 

 
広東省では古来より様々な食材を利用し、多種多様な中国料理を誕生させてきました。そうした食材の中には当然、野生動物も多く含まれています。歴史的に、野生動物を食べることが文化ともなっている広東省ですが、新型コロナウイルスの拡大を受け、同省政府は今年5月、独自の条例を制定、野生動物の売買を禁止しました。この条例に反し、検挙された場合、刑事責任を問われるだけでなく、販売価格の20倍という多額の罰金が科せられることになります。
 
今も世界中で猛威を振るい、多数の死者を出している新型コロナウイルス。その発生源である可能性の高い野生動物を、法律を侵してまで売買し続ける人々には腹立たしさを覚えずにはおれません。今後当局も抜本的対策を迫られることになるでしょう。