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“半沢直樹”や“鬼滅の刃”、中国ですでに商標登録

以前もお伝えしましたが、これまで中国では日本の様々な商品名や人名、漫画キャラクター名などが商標として登録され、大きな問題となってきました。“木村拓哉”や“安室奈美恵”、“佳子公主(佳子様)”など、日本の芸能人や皇族の名前までもが中国企業や個人の名義で商標登録されているのです。中国で商標登録がビジネスとして成立してしまっている実情があることが大きな原因ですが、これから中国で事業を進める日本企業にとっては大きな障害となる困った問題です。
 
今年続編が放送された人気ドラマ『半沢直樹(TBS)』のタイトルも、2013年、浙江省の広告代理店によって“半沢直樹”という文言が商標登録されてしまいました。このため、同企業の商標使用期限である2015年~2025年に、中国国内で“半沢直樹”という単語を使用した場合、逆に提訴される可能性もあるのです。
 
 
 
 
さらに、世界的な人気漫画となった『鬼滅の刃(集英社)』についても、中国ではすでに商標登録を行う企業が相次いでいます。10月16日から劇場版が公開され、中国でも大きく注目されている同作品は、中国のECサイトで関連グッズが販売され、連日メディアで報じられるなど、中国国内でも社会現象を巻き起こしています。
 
《劇場版公式サイトより》
 
そんな“鬼滅の刃”(中国語:鬼灭之刀)を商標権を管轄している中国国家商標局で検索したところ、すでに20以上の中国企業によって商標申請が行われていることが分かりました。しかも業種を確認すると、「教育」・「広告」・「家具」・「アパレル」・「飲食」・「日用品」など多岐に渡る企業が申請していました。いずれの企業も昨年1月から今年5月にかけて申請を済ませており、許可待ちという状態です。
 
鬼滅の刃の商標申請をしている企業の一覧》
 
中国国内の商標登録については、「無印良品」を展開している良品計画が中国に進出する際、“無印良品”というブランド名を先に商標登録していた中国企業に提訴され、本家であるはずの良品計画が敗訴するという信じられない事件も起こっています。“鬼滅の刃”が中国企業によって商標登録されるようなことが起これば、良品計画と同じ様な事態となる可能性があるのです。
 
現在中国政府は、自国が世界から「パクリ国家」と呼ばれている実情に深い懸念を示しています。万が一、世界的マンガ作品である“鬼滅の刃”が中国企業によって商標登録されるようなことになれば、中国は国として世界的に信用を失うことになるでしょう。
 
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