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中国で共産党幹部が自殺?背景に大規模な政治スキャンダルの可能性

今月15日、中国成都市で地元共産党幹部だった男性が突然失踪し、翌日16日に遺体で発見される事件が発生しました。当初、地元公安当局は、男性の遺体の状況から事件性はないと判断したのですが、男性の死に不審な点が多かったことから、ネット上には捜査を求める声が多数寄せられていました。こうした世論の声を受け、成都市政府は17日、突如再捜査を行うことを発表したのです。
 
《亡くなった男性》

亡くなった毛洪涛(50歳)は、成都大学で共産党委員会書記という管理職に就いていました。実は毛洪涛は失踪する直前、自らのSNSに遺書ともとれる内容のメッセージを投稿していたといいます。そのセージには、大学内部で起こっていた想像を絶すの権力闘争や、大学学長による不正行為が書き綴られていました。
 
SNSに残された遺書ともとれるメッセージ》
 
「これまでSNSに文章を投稿したことはなかったが、これで全てを終わりにしようと思う。この一年は人生で最も辛い時間だった。汚い泥水の中に落ちてしまい、これを変えようする気力もなくなってしまった。成都大学で仕事をするようになり、卑怯な人間や君子を騙る人間、よこしまな人間に出会うことになってしまった。その最たる人間が、学長の王清遠である。成都大学で作られたこの独立王国で受けた仕打ちは人生で最も悲惨なものだった。学長による政治的な大学運営は、“政治を語らず”“規則の破壊”“悪事のためのグループ作り”“独断専行”であった」
 
その内容から、毛洪涛が残したこのメッセージが大学内部で行われている不正行為を告発する内容であることが分かります。さらに、毛洪涛が残したこの告発文の最後には、家族や友人に宛てたと思われる文章もありました。そのことから、自分の命と引き換えに、大学内部の惨状を訴えようとしていたものと思われます。
 
男性の自殺の背景に何があったのか、今後地元地方政府や公安局による捜査が厳しく行われることになるでしょう。中国屈指の大都市である成都市で起こった今回の事件は、今後中国全土を巻き込む政治スキャンダルへと発展するかもあるかもしれません。