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中国で数万匹のペットが大量死、一体なぜ?

中国では経済成長の進展と共に、ペット産業も大きな成長を見せています。現在、中国のペット市場はおよそ3兆円規模となり、5000万世帯以上で飼育されている犬や猫などのペットはおよそ1億匹に達するとみられています。
 
しかし、お金があれば誰でも気軽にペットを飼える環境となったことで、飼い主によるペットへの虐待や遺棄、ペットが他人に噛み付くなどのトラブルが毎日のように報じられるようになりました。そんな中、中国で数万匹にも及ぶペットが大量死する事件が発生し、波紋を呼んでいます。
 
《死んでしまったペットたち》

事件は河南省漯河市にある物流センターで発生しました。地元メディアによると、ウサギ・猫・犬などのペット用の動物を繁殖させている繁殖場から市内の運送業者のトラックで物流センターに運ばれた数万匹もの動物たちが、そのまま数日間、エサや水も与えられずトラック内に放置され、酸素不足で死んでしまったといいます。
 
中国では、郵政法第33条により、動物を一般の配送物として配送することが禁止されています。今回、動物の配送を行った業者は、依頼主から配送物の中身が動物であったことを知らされていなかったと説明しており、現在、当局が責任の所在について詳しい捜査を行っています。
 
実は中国ではECサイト上でも、ペットの販売が行われてきました。「犬・猫・ウサギ」などの検索ワードを入れ検索すると、販売価格と共に動物の写真などが表示されるのです。そして販売業者は、ペットが売れると配送業者に配送を依頼する、という形でペットを届けるのです。
 
《ネット上で販売されているペットたち》
 
ペット産業の拡大により、知識やモラルのない業者も多数市場に参入するようになりました。中国にもペットの虐待などを罰する動物愛護法などがありますが、数万円程度の罰金刑のみで厳しく責任を追求されることはありません。中国でも今後、動物虐待に関する国内法の整備が重要となってくるでしょう。