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新型コロナウイルスを巡り、アメリカへ亡命した学者

中国人女性学者・閻麗夢(イェン・リーモン)氏の発言や論文が世界的な注目を集めています。以前、このブログでもご紹介したように、閻氏は香港大学公衆衛生学院でウイルス学を研究する学者でしたが、4月にアメリカに亡命、その後アメリカメディアに「新型コロナウイルスは、武漢のウイルス研究所で人工的に作られたものである」と驚愕の発言を行ってきました。


 
そして今月には、米メディアFOXニュースのインタビューに、現在中国に暮らす63歳の母親が中国当局によって4度目の逮捕をされたことを明かし、その逮捕の理由について、「母親を拘留することで、私の口から新型コロナウイルスに関する真相を語らせないようにしようとしている」と説明しています。
 
中国メディアは「閻氏が発表した“新型コロナウイルス人工説”の論文は科学的根拠に全く基づいておらず、荒唐無稽」と一蹴していますが、閻氏は、今後もアメリカから新型コロナウイルスが人工的に作られたものであること示す論文を発信していくとの決意を示しました。
 
しかし、閻氏を取り巻く環境については疑問の声も寄せられています。閻氏の論文が、《Rule of Law Foundatino》というアメリカの財団から発表されており、この財団の関係者として、トランプ大統領の元側近で、中国共産党に対し強硬な姿勢で知られるバノン氏も名を連ねているからです。
 
また、前ニューヨーク市長でトランプ大統領の顧問弁護士を務めるルドルフ・ジュリアーニ氏とのツーショット写真を公開するなど、アメリカの大物政治家と非常に近しい関係であることをアピールするような行動をとっており、その行為や目的も様々な憶測を呼んでいます。
 
本来科学的な研究が行われるべき問題である新型コロナウイルスの発生源。しかし米中間ではそれが政治問題化してしまっています。閻氏の行動に注目が集まっていますが、我々もその真意をしっかりと読み解いていかなければなりません。