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中国のネット上で売買される顔認証情報

 

中国国営テレビCCTV はこのほど、中国のネット上で数千人分もの顔認識データがわずか2元(約30円)ほどで販売されていると報じました。同局によると、さらに恐ろしいことに、こうした個人の顔認証データを不正に購入した組織は、金融機関のアプリに不正ログインし、預金などを引き出しており、被害も報告されているといいます。
 
 
 
最新のスマートフォンには必ず搭載されている顔認証システム。指紋認証の次に登場した、新たなIDチェックツールですが、万能というわけではありません。もし自分の顔データがネットで売買されれば、極めて恐ろしい事態に陥るかもしれないのです。そして残念なことに、中国ではすでに個人の顔データがネット上で売買される時代となっているのです。
 
《顔認証情報の売買について報じる中国国営メディア》
 
今年8月13日、中国杭州市公安当局は、他人の顔認証情報を不正に取得し、ネット上で販売していた2名の男を逮捕しました。さらに最近では、他人の顔認証情報を利用して不正に金融機関にアクセス、数万元の預金を引き出した犯罪組織が逮捕されました。
 
中国公安当局によると、こうした組織はネット上で他人の顔認証情報を購入し、その後、その顔認証情報をAIに読み込ませ、3D動画を作成、さらにその顔認証データを不正利用し他人の金融機関のアプリなどにログインする、という手口が確認されているというのです。
 
中国国営研究機関である中国信息通信研究院によると、簡易的な顔認証システムの場合、顔の6〜8箇所のポイントで特徴が一致すると、ロックが解除できるようになり、実際AIが作成した顔認証情報でロックが解除されることも珍しくないようです。また、高性能の3Dプリンターで作成した人の顔の使用実験では、スマートフォンのロックが解除される事例も報告されています。
 
皆さんの中には、SNSに自撮り写真などを投稿している人も多いと思いますが、写真データが多ければ多いほど、その顔情報が不正に取得され、ネット上で販売されたり、犯罪に利用されたりするのです。このため中国では、顔の毛細血管や顔の温度、顔色なども含めた顔認証システムの開発が進められています。
 
犯罪というのものは、警備であればあるほど、国境を超え、突然我々の生活を襲ってきます。顔情報がいかに大切なものであるか、日本でもその危険性についてもっと認識が進めば良いのですが。

国のネット上で売買される顔認証情報