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中国の動物園でライオンが死亡、ずさんな管理体制の背景には?

中国の動物園で近年、事故が多発しています。今年10月には上海野生動物園のサファリパークエリアで20代の飼育員が熊に襲われ死亡。2017年には、寧波市の動物園で飼育施設の囲いを乗り越え施設内に侵入した一般男性がトラに襲われ亡くなっています。さらに、2016年には北京市内のサファリパークで車外に出た観光客の女性がトラ2頭に襲われ、死亡しました。
 
このため以前から動物園には管理体制が杜撰すぎるとの指摘が相次いでいましたが、そうした中、今度は動物園が飼育していたライオンが死亡したことを隠蔽しようとしていたことが分かりました。
 
事件が起きたのは河北省にある佛山野生動物園。今月、園内の飼育スペースに設けられた池の中でグッタリ横たわるライオンの写真が中国のネット上に投稿されたことで、事実が明るみに出ました。この写真は動物園を訪れた観光客が撮影したもので、ネット上ではライオンが池の中で死んでいるのではないかと指摘されていましたが、こうした疑惑に当初動物園側は「ライオンが池の中で休んでいるだけである」と説明していました。しかし、疑惑の声が大きくなると説明を一変させ、この時すでにライオンが死亡していたと発言を訂正したのです。
 
 
 
ネット上に上げられたライオンの映像を見ると、横たわった身体の大部分が池に浸かっており、全く動いている様子がありません。動物園側はライオンが死亡した経緯について、「池に入る際は元気に飛び込んでいったが、持病があったこともあり、陸に上がる体力がなくなり溺れてしまったようだ」と説明した上で、ライオンの飼育や管理については外注企業に依頼していたため、これ以上の詳しい状況については確認中としています。
 
では、中国の動物園でこうした事件や事故が相次ぐのはなぜなのでしょうか。中国の動物園は基本的に政府から補助金を支給されておらず、運営は観光客の入場料や寄付によって支えられています。このため、当然ながら資金不足に陥る動物園も多く、2010年には瀋陽市の動物園が資金不足で動物のエサを購入できず、アムールトラ11頭を餓死させるといった事件も起きていました。
 
こうした事件や事故をこれ以上起こさないためにも、政府の資金援助や監視強化が必要なのではないでしょうか。