台湾大学で学生の自殺が急増
台湾の東大とも言われる台湾大学で、学生が相次いで自殺していることが分かりました。台湾大学は日本統治時代、7番目の帝国大学として台北市に設立されました。こうした時代背景に加え、建築物が一部、東京大学に非常に良く似ていることもあり、観光地として訪れる日本人も少なくありません。
台湾メディアは今月13日、台湾大学の敷地内で学生が自殺未遂を起こしたと伝えました。記事によると、13日16時頃、図書館付近で学生が倒れているのが発見され、病院に緊急搬送されました。幸い一命を取り留めましたが、大学内に設置された監視カメラ映像に一人で建物の上層階に向かう様子が映っていたことから、この学生は自殺を図ったと見られています。
立て続けに起きる自殺事件の背景については、現在ちょうど学期テストの期間中であることに加え、新型コロナウイルスによる失業率の高まりで、就職活動へのプレッシャーも強まり、心理的な負担が大きくなっていたのではないかと指摘されています。
日本でも今年に入り、自殺率が増加しており、警視庁のデータによると、今年10月の自殺率は前年比で約40%増加しています。コロナ禍の影響による自殺率の増加は世界共通の社会問題となりつつあります。各国政府や行政は自殺防止に向けた取り組みを初めていますが、それ以上に大切なのは、私たち一人ひとりがもう少し周囲の人々に関心を向けることなのではないでしょうか。