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台湾空軍に異変、戦闘機事故の多発に続き自殺者も

今年に入り、アメリカ政府高官が次々と台湾を訪れています。8月にはアレックス・アザー厚生長官が、そして9月には米国務省のキース・クラック次官が、今月23日には米情報担当スチュードマン海軍少将が台湾を訪れています。
 
アメリカと台湾は、対中有事の際の軍事戦略について極秘裏に対応を協議していると見られており、こうした動きに対し中国外交部などが非難してきました。中国は米台を牽制するため、連日周辺海域に哨戒機を派遣するなど緊張が高まっています。
 
中台軍事衝突の緊張が高まる中、このところ台湾軍には異変が相次いで発生しています。今月17日夜、台湾空軍を離陸した戦闘機•F16が、離陸後からわずか2分後、高度約1800メートルの地点でレーダーから消え消息を断っていたのです。操縦していた44歳の兵士は、部隊長に任命されるなど経験豊富で2000時間もの飛行経験もありました。海上に墜落した可能性が高いとされ、現在も捜索が続けられていますが操縦士や戦闘機の発見には至っていません。


 
10月末には、同じく台湾空軍所属のF5E戦闘機が戦闘訓練中に墜落し、操縦士が死亡する事故が発生していました。
 
戦闘機による事後が多発している台湾ですが、こうした背景には、F16などアメリカから比較的古い戦闘機を売却されたことが指摘されています。中国の度重なる台湾海域への侵入で、台湾空軍はスクランブル発進を余儀なくされ、古い戦闘機を利用しているため、内部の機械が予想以上に消耗され、ダメージが出ているのではないかと報じられているのです。
 
《F16戦闘機の探索を行なっている台湾空軍》

戦闘機の事後が相次ぐ中、今月22日には台湾空軍で戦闘機などの整備を担当していた38歳の整備兵が、花蓮市内の基地宿舎で自殺していたことが分かったのです。地元メディアによると、台湾空軍では戦闘機の事件が相次いでいたことから士気の低下が見られており、自殺した兵士もこうした事故の影響で精神的に悩みを抱えていたのではないかと報じているのです。
 
戦闘機の事故に続き、自殺者まで出ている台湾空軍。こうした背景には、武力衝突の可能性によって台湾全体が緊張状態となっていることで、兵士の精神面にも影響がでているのかもしれません。