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間もなく始まる“独身の日セール”、違法行為も横行

今年も間もなく中国の“独身の日”がやってきます。中国では一並びとなる11月11日を独身の日と呼び、毎年ネットショップサイトで大規模なセールが開催されます。アリババが運営するECサイトでは昨年、独身の日のセールの売り上げが過去最高となる4兆1000億円を記録しました。セール開始からわずか60秒で、1000億円を売り上げたことは、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか?
 
 
コロナ禍の影響で経済の回復が最大の課題となっている中国では、この独身の日セールに期待する声が高まっています。しかし、この独身の日セール、注意も必要です。この日は販売率が凄まじい高まりを見せる一方、返品率も非常に高く、実際の売り上げは額面の半分ほどではないかと言われています。セールの勢いで大量の商品を買った人が、セール後に冷静になり、商品を返品するのです。
 
さらに、もう一つ、中国メディアが消費者に注意を呼び掛けているのが、この日横行する消費者への詐欺行為です。中国国営メディア・新華社通信も近年ECサイトが行っている独身の日セールのネット生配信について言及しています。EC大手各社が世界各国から大物アーティストらを招聘し、コンサートを開いたり、売上金額をリアルタイムで巨大なスクリーンに映し出すなどド派手イベントを行い、その様子を生配信するため、消費者はその勢いに押され、ついつい大量の商品を購入してしまうのです。しかし、中にはそうした消費者の心理に乗じて合格基準に満たない製品(生産年月日、生産工場名、製造番号の無記名)を販売したり、偽物製品を販売したりする悪徳業者もいるのです。記事では、セールの雰囲気に惑わされず、商品の品質をしっかり見極めなくてはいけないと警鐘を鳴らしています。
 
また、“5割引き”“9割引き”など最大限の割引率を謳い、消費者の注意を引こうとする業者も数多く見受けられますが、実際にはセール直前に商品価格を数倍吊り上げ、セール当日に割引を行っているだけ、というところも少なくありません。
 
独身の日セールには、上記のような違法行為が多数報告されています。日本では、セールの売上額だけが取り上げられ報道されますが、その背景で発生している問題についても目を向けてほしいと思います。