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韓国社会を震撼させた“n番部屋事件”、中国では動物虐待版“n番部屋事件”が?

今年、韓国で社会を震撼させる事件が起こりました。“n番部屋事件”と呼ばれる事件です。あまりにも卑劣で悲惨な事件だったことから、韓国や日本の報道機関で報道規制が行われたとも言われています。この事件は、会員制チャットルームで20万人以上の会員たちが、女性に虐待行為をしている動画を閲覧し、楽しんでいた、というものです。事件が明るみになるや、複数の会員が自殺するなど、今もその余波は続いています。
 
そんな中、今度は中国で、“動物n番部屋事件”と呼ばれる事件が発生しました。
 
中国メディアによると、中国国内の複数のSNSアプリに、動物を虐待する動画を共有し楽しむグループチャットが存在しているというのです。報道の中では、実際に動物の虐待動画を共有するグループチャットが紹介されており、何人もの人々が、自身が撮影したと思われる動画をチャット内で共有したり、販売している様子が紹介されています。
 


《子猫を虐待する動画を投稿する会員たち。一番下の写真は真空パックに入れられようとしている様子だと報じられた》
 
その中で最も多くの動画を投稿している人物は、228本分の猫の虐待動画をチャット内に投稿しており、中には82分もの長時間に渡り猫を虐待し続けるものも確認されているのです。こうした虐待動画には、猫の種類・年齢・虐待方法なども明記されており、閲覧を希望する者は、動画投稿者にスマホ決済などで金を払い、動画を購入することになっています。
 
中国メディアによると、こうしたグループチャットの会員の中には、10歳の子供も含まれている他、チャット内の自己紹介文には、「1匹の猫を虐待死させてから快感に感じるようになった」、「虐待されるときの子猫の泣き叫ぶ声が気持ち良く感じる」など、常軌を逸したメッセージも投稿されていたといいます。
 
今回の出来事が報じられると、ネットユーザーからは「動物虐待版のn番部屋事件だ。警察は早く関係者全員を逮捕すべき」、「猫を虐待して喜んでいる奴の個人情報を公開してほしい。近所にこんな奴がいたら怖くて生活できない」、「動物虐待に関する法律や罰則を強化してほしい。こうした人間たちは極刑でも問題ない」といった真っ当かつ厳しい意見が数多く寄せられました。
 
中国では、2010年頃から動物の虐待事件がメディアで大きく取り上げられるようになったことから、動物虐待に関する法案の制定が進められてきました。しかし、希少野生動物の密猟や違法販売が深刻化していたため、まずは野生動物保護に向けた法案の整備が優先的に進められてきました。
 
現在、中国では「虐待動物罪」という名称で動物虐待に関する法案の策定が進められており、故意に動物を虐待した場合、6ヶ月〜3年以下の有期刑、という罰則が科せられる方針です。凶悪犯罪を犯す者の中には、その兆候として動物虐待を行う者が少なくありません。動物虐待については、凶悪犯罪を未然に防ぐためにも、社会全体が厳しい態度を示すことが必要不可欠なのではないでしょうか。