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高級ホテルの真実②

2018年1月、日本でも大きく報じられた中国国内のホテルでのいい加減な清掃の実態。ネットに流出した映像には、清掃員がトイレ掃除に使用した雑巾でグラスや洗面台を磨く姿が確認できます。こうした状況は高級ホテルのシェラトンやシャングリラなどでも起きており、一流ホテルも世界的信用を失う危機に陥っていました。 
 
 
ところがこの度、中国深圳市にある高級外資ホテルで再び同様の事件が発生してしまいました。問題があったのは深圳市にあるマリオット傘下のルネッサンスホテル。今月投稿された動画から、客室内のグラスを雑巾で磨き、本来必要なはずの消毒作業も行わず、そのままグラスを元の場所に置いていたほか、客室にあったバスタオルで便器の掃除していたことがわかったのです。今回の動画を受け、ホテル側は当該清掃スタッフについては何かしらの処分を行い、再度清掃研修を行うと発表しました。
 
 


高級外資系ホテルで立て続けに発生する非衛生的な清掃。なぜこうしたことが起きるのでしょうか?
 
ホテルの清掃業務は一般的に、ホテル側から委託された現地の清掃会社の清掃員が行っていますが、500室以上の客室を抱える大手外資系ホテルでは、各清掃員にノルマが課され、短時間で多くの客室を清掃しなければならず、ノルマを達成できなければ、給与から未達成分を天引きされることもあります。
 
以前こうした事件が明らかになった当初は、清掃員に批判の矛先が向かいましたが、こうした実態が明らかになると、時間と厳しいノルマに追われる清掃員に同情的な声が聞かれるようになりました。
 
前回の事件から、清掃員の待遇が改善されたという報道はなく、似たような境遇にある清掃員は少なくないでしょう。多くの外資系ホテルで次々と暴かれる不衛生な清掃の実態は、まだ氷山の一角なのかもしれません。