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ネパール議会、突然の解散発表。背景に中国の影響力拡大か

中国と国境を接し、その影響を受け始めているネパールで異変が起こっています。昨日20日、ネパールのバンダリ(Bidya Devi Bhandari)大統領が突如、参議院を解散し、来年4月30日と5月10日、総選挙を実施すると発表したのです。
 
《バンダリ大統領》

香港メディア・東網は、今回議会が解散されることのなった背景には、与党であるネパール共産党内における親中派勢力の拡大があったと伝えています。
 
現在与党のネパール共産党は、ネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派と、ネパール共産党毛沢東主義派という2つの共産党勢力が2018年に統一してできた政党です。
 
議会の解散を大統領に求めていたオリ(K.P. Sharma Oli)首相は、ネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派出身で、前首相で共産党毛沢東主義派のダハル氏とは党内で権力を争う関係でした。
 
さらに、報道によると、共産党内の権力争いを巡っては、中国の介入もあったといいます。在ネパール中国大使は今年4月から5月にかけ、ネパール共産党の幹部たちと面会しており、「オリ(K.P. Sharma Oli)首相が中国大使に対し、ネパール政治への介入を行わないよう伝えていました」(香港メディア)。記事では、中国大使が共産党毛沢東主義派のダハル氏を支援しようとしていたと伝えています。
 
《中国大使(左)とオリ首相》

現在、首都のカトマンズでは議会解散支持派と反対派による市民同士の衝突も発生しているといいます。
 
中国にとって、国境を接するネパールは、一帯一路構想を語る上で非常に重要な要所となる国であり、チベット自治区からインドに亡命するルートにもなっています。このため、経済的にも政治的にも影響力を強めたいという思惑があるのです。
 
 
先日撮影したネパール関係の動画です!ぜひご覧ください。