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中国で“スマート農業”が開始。農業人口減少解決や大規模生産への期待

農業従事者の高齢化や後継者不足が年々深刻となっている日本。現在、およそ300万人いる農業従事者のほとんどが65歳以上の高齢者となっており、政府や自治体はその打開策として、農業に従事する若者への補助金や研修、住居などを提供してきました。
 
お隣、中国でも状況に大差はありません。農業従事者は、現在3億人まで減少し、全人口の4割ほどまで落ち込んでいます。日本よりは農業従事者の数も、人口全体に占める割合も多いのですが、小規模農家が多く、生産性が低いことが問題となっていました。
 
ところが最近、その状況に変化が見え始めています。最新テクノロジーを導入した“スマート農業”への転換が加速しているのです。重慶市では中国通信大手・チャイナモバイルの技術を使った“5G通信+スマート農業”を導入、これにより大規模生産が可能となり、注目を集めています。では、具体的にどのような技術が使われているのでしょうか。
 
 
 
試験的にスマート農業を導入した農場では、畑のいたるところにセンサーが取り付けられており、このセンサーが24時間体制で温度や湿度、土壌の水分量や二酸化炭素量、害虫被害などの情報を監視センターに送信、監視センターはセンサーから送られた情報を基に、飛行経路が組み込まれたドローンで、オートマチッックに農薬や肥料の散布を行なっているのです。
 




 
こうした技術は現在、農業だけでなく、畜産業へも利用され始めています。重慶市合川区の肉牛生産場では、5000頭の牛の耳にセンサーを装着、体温や歩数などの情報を記録し、センターで管理しています。このため、万が一体調の悪い牛が確認された場合には、すぐに飼育員に情報が行き、隔離措置などを採ることができるほか、伝染病なども早期に発見することが可能となりました。
 
農業や畜産業にこうした先端技術が導入されることにより、労働力不足の解決や大規模生産が現実のものとなりつつあります。農業のテクノロジー化は日本でも徐々に導入が開始されていますが、今後、こうしたスマート農業が世界の主流となる時代が来るのかもしれません。