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中国でも深刻な教師の体罰・暴言問題。当局が禁止行為の規定を発表

教師による体罰や暴言などの事件が毎日のように報じられています。現代の定義では、体罰は暴行罪・傷害罪というれっきとした犯罪行為で、暴言も侮辱罪・脅迫罪・名誉毀損罪に当たる犯罪行為です。日本ではこうした犯罪行為が、“体罰”という言葉にまとめられ、犯罪行為であるという意識が薄められてきたように感じます。教師による体罰・暴言は、生徒の自殺や大怪我、不登校などをもたらし一生の傷をもたらすものなのです。


こうした中、日本同様教師による体罰や暴言が社会問題化していた中国では教育部(文部省に相当)が、教師による体罰・暴言に対し明確な禁止の指針を発表しました。教育部が本日発表した禁止行為は以下の7つの行為となっています。
 
①生徒を叩くなど直接的に身体へ苦痛を与える体罰
②長時間に及び立たせたり、限度を超えた抄写、身体に負担を与える姿勢を強制するなど間接的に身体や心理に影響を与える体罰
③侮辱的・差別的言動で生徒の人格や尊厳を侵犯すること
④連帯責任を生徒たちに負わすこと
⑤学業成績の結果によって生徒に懲罰を与えること
⑥生徒に命じ別の生徒へ懲罰を与えること
⑦生徒の権利を侵害すること
 
中国では体罰について、学校や教育部が個別に対応してきましたが、今回の規定によって法律同様に厳しく教師の体罰・暴言が制限されることになるのです。今回の教育部の発表に対し、中国のネットユーザーからは「これによって暴力教師が一掃され二度と教育の場に戻って来れないようにしてほしい」、「中学の時に教師に殴られ出血した。あのときの恐怖は一生忘れない」、「こんな当たり前のことを文書で規定するまでに何十年もかかって多くの子供が犠牲になってきた」などのコメントが寄せられています。



今回の規定では、違反した場合の具体的な罰則については明言されておらず、まずは罰則なしでの運用となりそうです。体罰や暴言という言葉の裏で今も行われている暴行罪・傷害罪・侮辱罪・脅迫罪・名誉毀損罪という許されない犯罪行為。中国での取り組みやその結果についても日本の参考になるのかもしれません。