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中国の学歴マウントは、“211”がキーワード

最近よくメディアで目にするようになった“マウンティング”という言葉。学歴・社会的地位・年収・居住エリア、中には高層マンションの居住階を巡っても、相手に自身の優位性をアピールし、優越感に浸るという人の存在がネットなどで話題となっています。特に今話題となっているのが“学歴マウント”ではないでしょうか。“旧帝大”、“MARCH”などの大学グループ群を巡っても、学歴が自分より低い相手に近づき、見下す言動をとる人が多くいるようです。
 
実は中国社会でもこうした“学歴マウント”は存在しています。中国のネット掲示板などのお悩み相談には、学歴マウントに悩む人々からのコメントが数多く寄せられており、「会社の中に学歴をバカにしてくる同僚がいて退職を考えている」、「近所の人が子供の学歴をいつも自慢してくる」、「上司に国家重点大学以外は大学とは言えないなどとマウントされる」、「お見合いに行ったら相手の親から娘は大学院を出ているから、大卒のあなたには相応しくないと言われた」など、日本と同様の悩みを抱えている人が多くいることが分かります。
 
中国の学歴マウントを語る上でよく引き合いに出されるのが、“国家重点大学(211工程)”というキーワードです。“国家重点大学(211工程)”とは、中国政府が国内の大学の中でも特に優秀と認めた大学で、21世紀に向け大学のレベルを更に向上させるため、研究費などの補助金を支給しており、現在国内100の大学がこの国家重点大学(211工程)に指定されています。
 
 
 
 
 
中国では学歴マウントの会話の中に、よく登場するこの“211工程”という言葉。いわゆる日本で言うところの“旧帝大”、“早慶上智”などの難関大学をひっくるめた大学グループ群を意味しています。会話の中では、「私は211出身だけど、あなたは?」といった形で学歴マウントしてきます。
 
マウントを取る人に共通していることは、仕事やプライベートで満たされていないことが多いという点。それがマウントティングという承認欲求に表れてくるのでしょう。こうしたマウンティングが増えているのは、社会が不安定になっている証拠なのかもしれません。