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吉林省が第二の武漢へ  地元住民たちが惨状をネットに投稿

新型コロナウイルスの感染拡大が顕著となってきた中国では、各都市でロックダウンが行われています。こうした中、ロックダウン中の中国吉林省通化市では異変が起こっています。
 
今月10日、通化市政府は感染拡大が深刻な東昌区について都市封鎖を行うことを発表しました。住民たちは原則外出が禁止されおり、食料配給など生活物資は地元行政が中心となり市民に配給されてきました。しかし、中国版Twitter・ウェイボー上では、地元政府の対応を遅れを厳しく批判するコメントや、餓死の危険性を訴えるコメントであふれているのです。


 
ウェイボーに寄せられたコメントには、「我々は新型コロナウイルスに負けることはないが、飢餓や既往症によって命に危険にさらされている。高血圧や糖尿病を患う多くの高齢者は薬がきれ危険な状態にある。一体誰が我々を救ってくれるのか」、「もう家には全く食料がない。食料の配給もまた停止となった。知り合いは10日近く水だけで生きながられえている」、「なぜメディアは通化市の惨状を報道しないんだ」、「今我々にはこの状況を外部に情報発信してくれる方方さんのような存在が必要だ」など、政府や行政に対する不満や惨状を訴える投稿が多く寄せられているのです。
 
こうしたコメントの中で、多くの市民が“方方さん”という名前を提起しています。方方とは、昨年1月に武漢市がロックダウンされた際、現地住民の生活を日々、日記として書きとめネット上で公開した女性の名前です。日本では「武漢日記」として書籍販売されています。当時、突然物流が止まり外出禁止となった武漢市では、多くの市民が助けを求めるメッセージをSNSで発信していましたが、そうした情報が当局によって削除されるなどしていたため、武漢日記の存在は当時の状況を知る上で非常に貴重なものとなっているのです。

中国国内はもちろん、日本でも報じられることのない通化市の惨状。今後、第二の武漢日記が現れるかもしれません。