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春節まであと2週間!日本政府は中国の春節に注目せよ

新型コロナウイルスの感染拡大が顕著となっている中国。さらに間もなく始まる大型連休“春節”に警戒感が高まっています。今年は2月12日から約10日間、旧正月である春節が始まります。中国の春節と言えば、数億人の人々が都市部から田舎に帰省するため、民族大移動とも言われるほど毎年賑わいを見せているのです。
当然、新型コロナウイルスの感染拡大の観点から中国政府は国民に向け、帰省や移動の自粛を繰り返し呼び掛けてきました。2週間後の春節に向け、公共交通機関などではチケットの返金対応が始まっています。
 
中国メディアによると、無料での返金対応が行われるのは1月28日〜3月8日までの国内線チケットで、人の移動を制限しコロナウイルスの感染拡大を食い止める狙いがあると伝えています。すでに鉄道など陸路の交通機関でも同様の対応が開始されています。
 
さらに、中国では無症状感染者の割合が多い若者についても春節に向けた取り組みが開始されています。都市部の大学から田舎に帰省する若者が大勢いる中国では、春節を前に大学生への無償ワクチンの接種が開始されることが分かりました。
 
これまで中国では、優先的にコロナワクチンを接種出来る市民について、公務員・交通機関の職員・税関職員・輸入生鮮食品の関連業者・医療関係者などに限られてきましたが、春節を前に大学生へのワクチン接種を解禁したのです。
ワクチン接種が開始されたのは、武漢大学・華中科技大学・浙江大学・浙江師範大学・中南大学・中国農業大学などで、すでに各大学の公式SNSでは、帰省する学生に対しワクチン接種の場所や手続きなどを通知しています。
 
昨年の春節では多くの都市でロックダウンが行われ、交通機関はほぼ全て運行を停止していました。そのため、観光関連業界はもちろん、飲食店などは経済的に大きな損失を被り経済成長率も過去最大の下げ幅を記録していました。今年は帰省の自粛を呼びかけつつも、ワクチン接種を前提に春節の移動を認めているのです。
 
全国民へのワクチン接種を目標に掲げている中国。今年の春節では、人々の移動による感染拡大がワクチンの効果によってどれほど封じ込めることが出来るのかに注目が集まっています。今年の中国の春節は、オリンピックを控える日本にとっても、開催を占う貴重な科学的な判断材料となるのではないでしょうか。