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中国北京のレストランで“密”が発生、当局の調査対象へ

日本ではマスクの着用はもちろん、“三密”とならないよう行政が市民に呼びかけています。最近ではマスク警察や自粛警察など、感染拡大に過剰に反応する人々の存在が問題視されるなどしています。一方、中国ではワクチンや感染予防アプリのリリースなどによって徹底した感染予防対策がとられてきました。こうした中、中国では“密”に対し、市民の間で警戒が高まっています。
 
中国メディア(新京報)は、北京市内のレストランでの防疫対策を巡り、複数の市民やネットユーザーから警察に通報が寄せられ、当局による捜査が行われることとなってしまいました。
 
事件があったのは北京市通州区にあるレストランでした。現地メディアによると今月26日、市内のレストランを利用するため、多くの客が詰めかけ店外に行列が出来てしまっていました。人気レストランにできた行列の画像がSNSに投稿されたところ、この画像を見たネットユーザーや近隣の市民から「レストランが三密状態となっており、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念がある」との通報が当局に寄せられたのです。

当初、神経質なネットユーザーや市民による一時的な炎上事件かと思いきや、地元当局は今月27日、声明文を発表し、「レストランにおける疾病予防対策が不十分であり、“中国突発事件応対法”および“商業施設における疾病予防”などの法律に違反しているため、調査を行う」と、調査対象となったことを発表したのです。
こうしたニュースを見ると、コロナを巡り中国が密告社会となってしまったかのような印象を受けますが、実は中国各地の行政では昨年からコロナ感染者に関する告発を推奨し、情報提供者には日本円で約5万円の報奨金が支払われるという取り組みが開始されてきました。実際に、中国ハルビン市ではこうした条件で情報提供を市民に広く呼びかけてきました。
 
市民による情報提供を基に感染拡大予防対策を進めることは非常に重要なことであると同時に、行き過ぎれば密告社会のような息苦しい社会となってしまうことにも繋がりかねません。コロナ禍にある今こそ、よりいっそう我々市民には理性的な判断が求められるのではないでしょうか。