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黒人差別から3年、今年の春晩は独身者に対する蔑視で炎上

本日から春節を向かてている中国では、毎年恒例となっている“春晩”も放送されました。春晩とは、日本の紅白歌合戦のように国営放送CCTV春節の前日の大晦日に放送する特別番組で、人気アイドルや俳優・歌手が出演し、音楽・ダンス・ドラマなどが中継されるのです。近年ではインターネット配信の影響もあり、毎年10億人以上の中国国民や世界中の華僑たちが視聴していると言われているのです。
 
ところが、最近ではこの春晩の演出などを巡り、ネットユーザーたちの怒りを買い炎上するという出来事が多発していました。今年も例外に漏れず、春晩で放送されたドラマに厳しい意見が寄せられているようです。
 
ネットユーザーたちの怒りを買ってしまったドラマは、『休みの度に結婚を催促される』というタイトルの春節特別ドラマで、年老いた両親が未婚の適齢期を迎えた子供に結婚を催促するという内容でした。一見すると、コメディドラマのように思えますが、両親の子供に対する辛辣なセリフが物議を醸しているのです。

「うちの娘は28歳で未だに恋人もいないなんて」
「独身の犬野郎」
「結婚してダメだったら離婚してまた結婚すればいい」
 
中国では仕事や経済的な問題から結婚をしないという選択肢を選ぶ若者が増えていることから、独身者を痛烈に批判する今回のドラマのセリフに反感を覚える人が多かったのです。ネットユーザーからは、「独身であることをなぜバカにされたり嘲笑の対象とされるのか理解できない」「独身は犯罪であると言いたいのか」など、反発のコメントが多く投稿されています。
 
実は春晩がネットで炎上したのはこれが初めてではありません。2018年に放送された春晩では、演出の一部に黒人に対する人種差別があったとして、欧米メディアでも大きく報じられる事態となりました。当時放送された春晩の寸劇では、アフリカ系黒人出演者と共に、顔を黒塗りにした中国人女優が歌やダンスを披露しながら、アフリカでの中国による鉄道建設に感謝する場面や、黒人女性が中国人富裕層と結婚することを切望する場面などが描かれ、黒人の肌の色を大袈裟に表現する内容や、アフリカ地域を見下すような演出が人種差別だとして問題視されたのです。
3年前は人種差別と批判された春晩ですが、今年は独身者に対する蔑視が批判される結果となりました。果たして来年はどうなることでしょう。