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中国、昨年だけで海外逃亡1421名の汚職公職者を逮捕

習近平政権発足以来、政権の目玉として汚職公職者の摘発が行われてきました。特に国家資金を横領し海外逃亡してきた汚職公職者の逮捕には大きな注目が集まってきました。汚職公職者の調査を行ってきた中国共産党中央規律検査委員会は本日22日、昨年だけで海外逃亡してきた1421名の汚職公職者の身柄を中国に移したことを発表しました。その中で特に横領額が多かった28名に関しては、合わせて日本円で約500億円を横領していました。一人当たり17億円を横領していたことになります。
こうした中、中国は今も海外逃亡を続けている特に悪質な元公職者100名について今後さらに捜査の手を強めていくと見られています。2015年、中国捜査当局は収賄や横領に関わった公職者の中でも特に上級公職者だった者や汚職金額が大きかった者について、海外逃亡中の100名をピックアップしリストを作成しネット上で公開してきました。リストでは顔写真やパスポート番号、身分証明番号、出身地などが細かく記されており、逃亡中の元公職者に対し精神的圧力をかける狙いもあるのです。
 
国内外の汚職公職者の取り締まりについて、中国は昨年から公安捜査当局・銀行・裁判所・監察委員会など関係機関を集めた反腐敗チームを創設し、「天網2020行動」と呼ばれるプロジェクトをスタートしてきました。このプロジェクトによって、中国の汚職公職者は不正所得の蓄財、マネーロンダリング、海外送金、出国などが難しくなり、汚職行為の予防に繋げていきたい狙いがあります。
海外逃亡する公職者の多くは不正資金を海外口座に移した後、逃亡先国家の庇護を得るため中国の国家機密を持ち出し、情報提供の代わりに市民権を得ようとするのが一般的で、中国としてはこうした機密情報の海外への漏洩をなんとしても防ぎたいのです。2016年にアメリカに逃亡した元中国高官・令完成などはまさにその1人でなのです。
 
これまで汚職公職者によって、海外に不正に持ち出された国家資金が20兆円に上る中国。汚職公職者の多くはアメリカやカナダ、ヨーロッパなどの欧米諸国に逃亡しており、今後こうした国々との間でどのように身柄の引き渡し手続きを行っていくかが課題となっています。