東南アジアを拠点に急増する中国人特殊詐欺組織
東南アジアを拠点にする詐欺グループによる特殊詐欺や強盗事件が頻発しています。中国や台湾でも同様の状況となっています。中国メディアは今回、ミャンマー北部で詐欺組織の支配下に置かれていた若者を救出し、ミャンマーで送っていた生活の様子について報じています。
中国国営メディア・環球時報(5月17日)は今年4月27日、ミャンマー北部と国境を接する中国雲南省のシーサンパンナ・タイ族自治州で若い女性を保護したことを報じています。
この女性は今年3月、インターネットで見た高収入バイトの広告に応募したところ、密入国組織によってミャンマー北部に連れて来られ、現地のカラオケ店で仕事をさせられていたと言います。女性は携帯電話などを現地の組織の人間に奪われて、居住エリアには複数の見張り役がいて全く身動きが取れない状況に置かれていたと言います。
さらに、女性は組織の関係者から「快楽水」と呼ばれる液体を無理矢理、摂取させられており、中国当局はメタンフェタミンの液体を飲まされ正常な判断力を奪う目的だったと見ています。中国当局はミャンマーの警察当局と協力し、こうした詐欺組織の摘発を行ってきました。
新型コロナウイルスの発生後から、中国では多くの若者が高額バイトの広告に惹かれ、東南アジアに渡り現地で特殊詐欺などの犯罪行為に加担させられる事件が相次いで報じられてきました。ラオスや ベトナム、ミャンマーは中国と陸続きで国境を接している上、時差もなく物価も安いため、犯罪組織の拠点に利用されてきました。また、詐欺組織が拠点を置く地域では中国資本による開発が行われており、多くの中国人が行き来していることから、怪しまれにくいという利点があると指摘されています。
学歴フィルターは中国にもあります!「211大学群」「985大学群」を知っていますか?
今月、就職情報大手の「マイナビ」が学生向けに送信したメールの題名に「大東亜以下」と記載されていたことから、大学の難易度によって学生を選別していたという疑惑が持たれています。いわゆる「学歴フィルター」を設けていたという疑惑は、これまで平等であると信じられてきた就職活動において、ショックを受けた学生も多くいたようです。
日本の就職活動では、この他にもAO入試や推薦入試に対するフィルターも一部存在しているとも言われており、日本の就活事情の厳しさを物語っています。実はこうした学歴フィルター、中国にも存在しておりネット上では頻繁に話題に上っています。
《中国の就職説明会 》
中国国内の四年生大学は約1200校、その内約800校は国立・公立大学となっており、約400校は私立大学となっています。実に3分の2が国立・公立大学なのです。なお、日本の大学数は約800校となっています。日本では難易度別に大学レベルをグループ分けする際に、よく使われるのが、「旧帝大・早慶上智・MARCH・関関同立・日東駒専・大東亜帝国」などの名称です。
一方、中国でよく使われる大学群名称には、「211」や「985」などの名称が非常によく使われています。
「211」とは、国家重点大学と呼ばれる大学群で、中国政府が優秀な人材の育成を目的に、特に重点的に投資を行なっていくと定めた中国国内の112校を指しています。「21世紀の約100校」を対象としていることから、211大学群と呼ばれているのです。211大学群には、北京大学や清華大学など、中国国内でも非常に難易度が高い約112校が含まれています。
さらに、この211大学群の中から、世界一流大学として研究レベルを向上させようと中国政府が選抜したのが39のトップ大学で、1998年5月からプロジェクトが開始されたことから、「985大学群」と呼ばれています。
中国では、大学に入学するのであれば、受験生はまず112校(211大学群)を目指し、さらに優秀な受験生はその中のトップ39校(985大学群)を目指すことになるのです。
実は数年前の中国では、一般企業や団体などが就活生に提示する採用条件に、211大学群や985大学群の在学生であることを明記する場合が非常に多く、学歴差別であるとして問題となっていました。出身大学のレベルによって、就業機会が平等に与えられないことは中国でも問題とされ、中国教育部(文科省に相当)は2013年に、国内の企業などに対し、大学群を新卒採用条件とすることを禁止することを発表し、現在の中国では学歴フィルターは撤廃されていることになっています。
「されていることになっている」と言うのは、つまり表面的には存在していませんが、日本同様、水面下では存在しており、多くの企業ではやはり積極的に211大学群出身学生の採用を進めているのが現状なのです。日本も中国もこの辺りの事情はよく似ていますね。中国もまさに「本音と建前」の国なのです。
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