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新型コロナウイルスの媒介動物、ウサギとアナグマも候補に

新型コロナウイルスの発生源を巡り、中国入りし調査を行ってきたWHO調査団。調査結果について、武漢市のウイルス研究所から漏れ出した可能性を否定したものの、中国政府からは発生初期段階にとられた生データの提出が行われなかったため、具体的な発生源については今も不明のままとなっています。
 
米大手メディア・ウォール・ストリート・ジャーナル(2月18日付け)は、コロナウイルスを人間に感染させた媒介動物について、ウサギとアナグマの可能性があると報じています。
 
記事によると、WHO調査団は最初に感染拡大が確認された武漢市の海鮮市場を視察したものの、発生源がこの市場であったかどうかは今も分からないとしたものの、この市場が発生源だと仮定した場合、媒介動物としてはコウモリの可能性が高いほか、ウサギ、アナグマもその候補に上がっていると伝えているのです。
 
 
 
調査団メンバーの1人、イギリス人動物学者のピーター・ダザック氏によると、海鮮市場ではアナグマやウサギなどが食用や毛皮用として違法に売買されており、どちらも新型コロナウイルスに感染する可能性がある動物であると明かしています。さらにヨーロッパではミンクを媒介に新型コロナウイルスが人間に感染した事例も報告されていることから、調査団は今後中国政府に対し、中国国内のミンクの繁殖場への調査などを要求していくと見られています。
 
中国国内メディアは、新型コロナウイルスの発生源について2019年秋頃に、すでにフランスやイタリアでコロナ感染者が確認されていたとする記事を配信しており、中国起源説に真っ向から否定する姿勢を見せています。
 
政治問題となりつつある新型コロナウイルスの感染源を巡る動き。2回目の調査団の派遣と中国側の積極的な協力に期待が集まります。

ミャンマー軍の背後に中国の影?米中対立の舞台はミャンマーへ

ミャンマーで発生した国軍によるクーデター。民主主義国家としての道を歩んでいる最中に起こったこのクーデターに対しては世界各国から非難の声が寄せられており、現地首都のヤンゴンでは、中国とミャンマー国軍の間に親密な関わりがあったのではないかと疑いを持つ市民が集まり、反中デモが行われています。
中国政府は外交部を通し、ミャンマーでのクーデターについて情勢を見守るべきであると肯定も否定もしない態度を貫いてきました。こうした中、米メディアはミャンマー国軍が中国国有企業から軍事兵器や武器などの提供を受けていたことを報じています。
 
 
アメリカ公共ラジオ報道局『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)は今月17日、メディアサイト上で5つの中国国有企業がミャンマー国軍に軍事兵器・武器の提供を行っていたと伝えています。
 
記事では、ミャンマーの民間団体『Justice for Myanmar』が公開した報告について報じ、報告書にはミャンマー国軍に定期的に軍事兵器を提供してきた外国企業16社について伝えており、この内の5社が中国国有企業からのものだったことを明らかにしたのです。報告書にあげられたのは、中国北方工業公司(NORINCO)、中国航空工業集团(AVIC)、中国航天科技集团(CASC)、中国航天科工集团(CASIC)、中航技進出口有限责任公司(CATIC)の5つの中国企業でした。

《北方工業公司(NORINCO)が製造しているNHM-91
 
同民間団体『Justice for Myanmar』によると、ミャンマー国軍に武器提供を行っていたとされる中国北方工業公司(NORINCO)について、ミャンマー国内で2つの鉱山を所有し銅などの採掘を行い、現地先住民への駆逐や環境汚染に関与していた可能性があると指摘しているのです。ミャンマー国軍は国会の承認などを得ずに中国との貿易を独自に行い、ここで得た多額の資金をもとに少数民族ラカインの武装勢力・アラカン軍と紛争を行ってきたことも指摘されているのです。
 
ミャンマー国軍はMEHL(Myanma Economic Holdings Limited)および、MEC(Myanmar Economic Corporation)という2つの軍資本企業を所有しており、こうした企業を通じ中国企業と貿易取引を行い、武器の購入や経済的利益を蓄えていたと言うのです。
 
米バイデン政権は、軍のトップを含む幹部らや、軍と関係が深い企業への制裁を発表しており、今後さらに厳しい制裁を科す構えです。
 
バイデン政権下でも一部踏襲されると見られるトランプ政権時代の対中政策は、今後の米中関係にどのように影響していくのか世界中の注目を集めています。今後、米中関係悪化の舞台がミャンマーとなる可能性もあるのではないでしょうか。

韓国、偉人の国籍を巡り中国に抗議

韓国政府のレッドチームへの接近に警戒感が高まる中、韓国と中国との間では国民レベルでの対立が顕著となっています。昨年、韓国の人気アイドルグループ・BTS防弾少年団)が、朝鮮戦争に関する発言を行ったところ、北朝鮮と共に戦った歴史のある中国ではこの発言を巡り、BTSに対する批判の声が高まり大炎上する事件がありました。さらに、今年に入ってからはキムチの起源を巡り、両国間の国民によるネット上での大バトルに発展したことも記憶に新しいのではないでしょうか。こうした中、今度は著名な詩人の国籍を巡り、韓国が中国に激怒しているというニュースが飛び込んできました。
 
中国メディアは、著名な詩人として知られている尹東柱ユン・ドンジュ)について、中国国内のインターネット上で朝鮮族と表記されていることに韓国が反発していることを報じています。
ユン・ドンジュは日本に留学してい期間に、抗日運動に参加したことがきっかけで日本で逮捕され、福岡県内の警察署で亡くなりました。1945年2月16日が命日だったこともあり、今月16日にユン・ドンジュの存在がピックアップされたのです。
 
ユン・ドンジュの生家がある中国吉林省延辺朝鮮族自治州龍井市には、同氏の石碑が建てられており石碑には「中国朝鮮族愛国詩人」と書かれていることも韓国では反発の声が高まっているのです。
韓国誠信女子大学の徐敬徳教授は、すでにユン・ドンジュの国籍を韓国籍に変更するよう、掲載元の中国百度百科に対し、抗議文を送ったことを明らかにしています。
 
韓国がこうした偉人の国籍や伝統文化の起源に強くこだわるのは国家誕生の背景が関係しているのかもしれません。現在の韓国の前身となった韓国臨時政府は現在の中国上海市で誕生しました。その後、杭州や南京など中国国内でその首都を移してきました。国家としての起源が他国にあったことも上記のような問題に執着してしまう原因となっているのかもしれません。
韓国には世界に誇る食文化やエンタメ文化などが数多くあります。過去の問題にこだわるより、こうした自国の素晴らしい文化の発信に目を向けてほしいと思うのですが。

春節突入の中国でリベンジ消費到来

新型コロナウイルスの影響による経済的打撃は多くの人々の生活を一変させてしまいました。中国では昨年の今頃は、多くの都市でロックっダウンや外出禁止措置がとられ、昨年1月〜3月の経済成長率は−6.8%と過去最大の落ち込みを記録してしまいました。
 
その後、健康コードアプリや徹底的なマスク対策、ワクチン接種対策のおかげで一日あたりの新規感染者数を一桁〜二桁台にまで引き下げることに成功しました。今月12日から春節の大型連休では、これまで積極的な消費活動や海外旅行などを行えなかった消費者によるリベンジ消費が見られ、経済回復を後押しする様子が各地で見られています。
 
中国現地メディアによると中国各地の映画館では春節初日の観客動員数が3403万人を突破し、過去最高観客動員数を記録したことを報じています。
 
さらに中国の首都・北京の代表的繁華街・王府井では連休期間中の2月11日〜14日の3日間だけで、53.3万人もの人々が訪れ、付近12のショッピングモールなどでは合わせて17億円もの売上が記録されています。さらに若者を中心に人気を集める杭州市湖滨歩行者エリアでは、昨年の同時期に比べ一日あたりの来客数が620%増の15.68万人を記録しています。北京市杭州市のほか、広東省上海市などの大型都市などの繁華街などのショッピングモールなどでも軒並み前年比500%増の売上を記録しており、リベンジ消費が顕著となっていることが伺えます。
日本としては中国人訪日客がいなくなったことで、各地の観光地や旅行産業全体に大きな経済的打撃を受けることとなりました。すでに多くの中国人ネットユーザーの中から、日本への旅行を切望する声があがっています。中国人のリベンジ消費の恩恵は間もなく日本にもやってくるのかもしれません。

愛の告白から復讐のお手伝いまで!中国の食品配達員の苦労

数年前から中国では食品の出前サービスが急成長しており、利用者数は約4.6億人、市場規模は6500億元(約10兆4000億円)と中国の主要産業の一つとなりつつあります。出前の配達員の数も)現在約300万人を突破しており、コロナ禍を追い風にさらに業界の勢いは大きく成長しています。
 
現在、中国の出前サービスは『美团外卖』  『饿了么』『百度外卖』  の3社による競争が激しさを見せているのです。他社との差別化を図るため、食品包装への工夫や料金の引き下げがこぞって行われてきました。
 
最近では配達員によるサービス提供の中身も多岐に渡っているようです。これまで食品の配達のみを行ってきた訳ですが、昨日のバレンタインデーでは配達員による代理告白サービスが行われたことが中国メディアで報じられ話題になっています。
 
この日、福建省福州市では食品の配達員の男性が、路上を歩いていた別の男性に突然花束を渡し、この男性に向かって「好きです!」と告げたのです。その後、配達員は男性に手紙を渡しその場を立ち去ります。手紙を渡された男性は何が起こったのか理解出来ていない様子でしたが、渡された手紙を見て知人の女性が、配達員に代理で愛の告白を頼んだことが分かり、周囲は笑顔に包まれたのです。


歩合制の配達員にとって、固定客の獲得は非常に重要で配達員のよってはこうした配達以外のサービスを行うことは珍しくありません。過去には配達員が女性客からの依頼で、女性客の元恋人の顔にヨーグルトを塗りたくるという事件があり、復讐に配達員が利用されるという出来事も起こっています。
 
市場競争の激化は配達員にも及び、顧客の無理難題にも対応しようとする姿が伺えます。顧客獲得のために中国の配達員は便利屋へとなりつつあるのかもしれません。