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香港デモの女神が逮捕、当局の狙いとは

2014年に香港で発生した学生主体の大規模デモ“雨傘運動”、そして今年香港市民200万人が参加し、今も収束の見通しが立っていない“逃亡犯条例反対デモ”、数年の間で2度も大規模なデモが発生している香港ですが、その元をたどっていくと、中国よる香港政治の中国化政策に対して、香港市民が大きな危機感を持っていることに起因しています。

そんな中、雨傘運動や今回の大規模デモで、中心的な役割を果たしていた周庭さんと、黄之鋒さんが今朝、香港当局に逮捕されました。周庭さんは流暢な日本語を話すことから、これまで何度も日本のメディアに出演し、日本人に向け香港の窮状を訴えてきました。日本では“雨傘運動の女神”と呼ばれていました。


《今回の逮捕を報じる香港メディア》


地元香港メディアによると今朝、周庭さんは自宅にいたところ、当局によって逮捕されたと報じています。また、周庭さんと同じく、学生運動リーダーとして活動してた黄之鋒さんも今朝、移動中に警察当局によって逮捕され、現在取調べが行われていると報じられています。現在までに、周庭さんがどのような容疑で逮捕されたかについては明らかにされていませんが、黄さんには6月21日に警察当局の建物を取り囲むデモを主導した容疑の他、2つの罪で逮捕されたことが分かっています。

今回合わせて3名の若者が逮捕されたわけですが、この背景には、大規模デモにおいて象徴的だった人物たちを逮捕することで、デモ隊に動揺を与え、そのデモ終結の道筋を立てたいという当局側の狙いがあるのです。

さらに中国は今年10月、建国記念日にあたる国慶節を迎え、国威発揚ともなる国家の最重要イベントを万全の体制で成功させたいという意図もあるのです。そのためには、早期に香港デモを終結させねばなりません。中国が直接的な武力介入を行えば、当然ながら国際社会から大きな反発を招きかねません。今回の逮捕の背景には、武力介入による物理的なデモ鎮圧ではなく、まずは心理的な圧力によってデモを終結させたいという意図があるのです。

果たして今回の逮捕によって国際社会はどのような反応をするのでしょうか。注目が集まっています。