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ジャックマー、ついに経済界から引退

中国では本日9月10日は“教師の日(教師節)”。模範的な教師らを表彰するイベントなどが各地で開催されています。そんな教師の日の今日、中国経済界で大きな動きがありました。

 


中国のIT最大手、アリババグループのジャック・マー(馬雲)が自身の55歳の誕生日でもあるこの日、正式に経済界からの引退を発表したのです。

 


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《従業員に見守られながら昨日、最後の出社を果たしたジャックマー》


ジャック・マーは昨年の教師の日、翌年(すなわち今年)の教師の日にアリババグループの会長の座を引退し、一人の教師として第二の人生をスタートさせたいと語っていしました。個人資産3兆円とも言われるジャック・マーですが、なぜ自らの手で中国最大手にまで育て上げたアリババを去り、教師になろうと考えたのでしょうか。その理由はマー自身の過去にあります。

 


1964年、浙江省杭州市の一般家庭に生まれたマーは、12歳の頃にラジオから流れてくる英語に興味を持ち、独学で英語の勉強を始めました。しかし、学校ではケンカに明け暮れ、その上、成績も悪かったマーは、転校を余儀なくされた上、高校受験にも失敗します。

 


高校時代は数学の成績が非常に悪く、大学受験にも2度失敗。その後、地元の大学になんとか進学すると、英語を専攻し、卒業後は大学の講師として英語と国際貿易を教えていました。

 


その後、翻訳業を経て、友人たちと共にインターネット事業を始め、今から20年前、現在のアリババグループを創業したのです。マーは昨年、引退宣言の中で、「教育を受け教師となったことで、ここまで来ることができた」と話しており、引退後は自分の人生を大きく変えてくれた教育という事業に何らかの形で携わりたいという思いを吐露していました。

 


自らの後継者に張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者(CEO)を指名したマーは、アリババグループは今後も成長を続けていくとしています。創業からわずか20年で、淘宝(タオバオ)や天猫(ティーモール)といった世界的ECサイトを開設し、アリペイなど電子決済システムの開発・普及でも他をリードしてきたアリババの創業者、ジャックマー。教師者として第二の人生をスタートさせた後、今度はどんなサプライズを見せてくれるのか。引退後の人生にも注目が集まっています。