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おから建築を大量に建設した男の狙いは

「豆腐渣工程」という中国語をご存知でしょうか?日本語では「おから建築」と訳されています。おから建築とは、まるで豆腐やおからで作ったかのような安全基準を無視した危険な建築物を意味しています。

 

信じられないことですが、中国の建設業者の中には、コンクリートなど建築資材の経費を削減するため、コンクリートの中にゴミを混ぜたり、コンクリートの替わりに発泡スチロールを使用する者が少なくありません。

 

こうした危険なおから建築が今も中国では存在しているのをご存知でしょうか。

 

 

中国広西チワン族自治区の北海市では今月21日、水産養殖を行っていた養殖場が地元当局が見守る中、取り壊し作業が行われました。地元中国メディアによると、この養殖場は、一見するとコンクリートで作られ頑丈そうな建物のように見えていますが、実はそのほとんどが、木版や発泡スチロールにコンクリートを薄く塗っただけの違法建築物だったといいます。写真からも発泡スチロールであることが一目瞭然ではないでしょうか。

 

 

 

 

実は今回のおから建築ですが、この建物を建てた男による政府補償金の詐取目的のものだったのです。地元政府は2012年に、今回事件のあった市内の土地を接収することを決めました。そこで今回の男は市政府から立退料を詐取する目的で、コストの安いおから建築を次々と建ててあたかも養殖場を運営しているかのように装っていたのです。

 

怪しげな建築物が次々と建設されていたことを不審に思った近隣住民からの通報で、地元当局が調査を行ったところ今回の事件が発覚したのです。男は現在当局による取り調べを受けており、建物も全て取り壊しが行われました。

 

 

 

 

中国でこうしたおから建築が注目されるきっかけとなったのが2008年に発生した四川大地震でした。この地震では、1番安全であるべきはずの学校が倒壊し多くの子供の命が奪われました。このとき、中国メディアは小学校などを建設した建築業者が工事費を安く抑えるため、今回のようなおから建築を行ったのではないのかと報じたのです。結局、報道規制が敷かれたため、なぜ小学校が倒壊したのか詳しい原因は今も分かっていません。

 

中国では今現在もこうした手抜き工事やおから建築による建物が存在し倒壊事故などを引き起こしているのです。